落語「寿限無」の舞台を行く
柳家花緑の噺、「寿限無」(じゅげむ)によると。
■五劫のすりきれ(ごこう-);「一劫というのは、三千年に一度、天人が天下って、下界の巌を衣でなでるのだが、その巌をなでつくしてすりきれてなくなってしまうのを一劫という。それが五劫というから、何億年か数えつくせない」。「五劫の擦り切れず」、「五劫の擦り切り」という言い方もあります。 ■水行末、雲来末、風来末(すいぎょうまつ、うんらいまつ、ふうらいまつ);水の行く末、雲の行く末、風の行く末、いずれも果てしがない。
■食う寝るところに住むところ(くうねるところ-);人間、衣食住のうち、1つが欠けても生きてはいけない。
■やぶらこうじのぶらこうじ;(薮柑子)サクラソウ科(またはヤブコウジ科)ヤブコウジ属の常緑小低木。林内に生育し、冬に赤い果実をつけ美しいので、栽培もされる。別名、十両(ジュウリョウ)。正月の縁起物ともされ、センリョウ(千両、センリョウ科)や、マンリョウ(万両)、カラタチバナ(百両)と並べて「十両」とも呼ばれる。赤い実を付ける「万年青(おもと)」も「南天」もおめでたい時の植物です。ではサクランボもおめでたい。
先日、保育園の脇を通っていたら女の子から声が掛かりました。「お爺さん(おじさんと呼べ)、誰を迎えに来たの」、「迎えではなく、これから帰るの」、女の子は申し訳なさそうに、「チョット待って」と近くの赤い実を取って私に一粒くれました。「食べて」、せっかくの好意、口に入れましたが渋くて吐き出しました。「これ何の実?」、「知らない。やっぱり食べられない?」。こらこら私を実験台にするな。その実が十両でした。 ■パイポパイポ~;昔、唐土(もろこし)にパイポという国があって、シューリンガンという王様とグーリンダイという王后のあいだに生まれたのが、ポンポコピーとポンポコナーというふたりのお姫様で、このふたりが大変長生きをした。創作上の王様一家ですよ。 ■長久命の長助(ちょうきゅうめいのちょうすけ);四文字熟語の天長地久、または天地長久という文字で読んでも書いてもめでたい結構な字で、それをとって長久命。長く助けるという意味で長助もいい。いかりや長介さんも良かった。 あのピカソも長名だった
イギリスの国名も長いですぞ、 日本の長命で有名人なのは、 ■お七夜(おしちや);子供が生れて7日目の祝い。 「出産風景」 江戸東京博物館ジオラマ。 明治時代までは子供の生存率は低かった。七才までは神の子と言って、神からの預かり物で、それを越えると初めて自分の子供と認識した。長生きを願うのは極自然な親の願望であった。
■もうひとつのエピソード。
2014年12月記 |