落語「だくだく」の舞台を行く 十代目桂文治の噺、「だくだく」(だくだく)より
■原話;上方落語では『書割盗人』と言い、この原話は、安永2年(1773)に出版された笑話本『芳野山』の一編「盗人」。「書割」とは、歌舞伎などの舞台背景に使われる風景画のこと。主な演者に二代目桂枝雀などがいる。
■こぼればなし;爆笑王として活躍した四代目柳亭痴楽が新宿末廣亭で同演目をかけて高座から降りかけると、ひとりの客が「アーア、面白かった。つもり」と言った。痴楽は客の方を向き、「いやな客、のつもり。ポカッと横っ面を殴り倒した、つもり」と返し、場が笑いの渦に包まれた。 ウイキペディアより
■十代目桂 文治(かつら ぶんじ、1924年1月14日 - 2004年1月31日);東京都豊島区出身の落語家で南画家(雅号:籬風)。落語芸術協会会長。落語江戸(東京)桂派宗家。本名は関口達雄。
■床の間(とこのま);床を一段高くし、正面の壁に書画の幅などを掛け、床板の上に置物・花瓶などを飾るところ。近世以降の日本建築で、座敷に設ける。
■南画の山水(なんがのさんすい);南宗画(ナンシユウガ)の略。日本における南宗系の絵画に用いられることが多い。そのタッチで描かれた山水画。文治は落語以上(?)に南画のエキスパート。文治は南画の大家でもあり、「籬風」(りふう)の雅号で活躍しました。
上左:十代目桂文治直筆揮毫色紙「豊年瑞雲」。 右:「丸髷」
■茶箪笥(ちゃだんす);茶器などの収納具。江戸初期のものは小型で慳貪(ケンドン)蓋のものだったが、幕末以降は戸棚式になる。この噺では上部は違い棚で、その下は引き出しで横には茶道具を入れるスペースがあった。
左:総桐のタンス。 右:お洒落すぎる違い棚がある茶箪笥(飾り箪笥)。
■長火鉢(ながひばち);長方形の箱火鉢。ひきだし・猫板・銅壺(ドウコ)などが付属し、茶の間・居間などに置く。
■猫板(ねこいた);(よく猫がうずくまるのでいう) 長火鉢の端にわたす引板。げすいた。
■南部の鉄瓶(なんぶのてつびん);南部氏の旧領地の通称。特に、盛岡をいう。
■長押(なげし);日本建築で、柱と柱とを繋ぐ水平材。とりつける箇所によって内法長押・腰長押・切目長押・地長押などと称し、また縁板の上にあるものを縁長押という。
■結城の着物(ゆうきのきもの);結城付近から産する絹織物。木藍で染めた細い紬糸で織り地質堅牢。絣(カスリ)または縞織。
■仙台平の袴(せんだいひらのはかま);極上質の精好織袴地の一種。元禄(1688~1704)前後頃、仙台藩主が西陣から織師を招いて織り始めたという。仙台平の生地で作られた袴。
■衣桁掛け(いこうかけ);衣桁。着物などをかけて置く家具。形は鳥居に似る。衝立式のものと、真中から蝶番で畳むしかけのもの(衣桁屏風)とがある。衣架(イカ)。みそかけ。かけさお。えもんかけ。右写真:小袖と帯が掛かった衣桁。
■石川五右衛門(いしかわごえもん);(生年不詳 - 文禄3年8月24日(1594年10月8日))は、安土桃山時代の盗賊の首長。都市部を中心に荒らしまわり、時の為政者である豊臣秀吉の手勢に文禄3年に捕えられ、京都三条河原で一子と共に煎り殺された。
従来その実在が疑問視されていたが、イエズス会の宣教師の日記の中に、その人物の実在を思わせる記述がある。処刑記録も現存しておりその光景を当時の絵師が残してさえもいる。処刑の際に詠んだとされる辞世の句、「石川や
浜の真砂は 尽くるとも 世に盗人の 種は尽くまじ」は有名。
■お召し(おめし);御召縮緬から、(もと貴人が着用したからいう)
先染め・先練りの着物地。緯(ヨコ)に強い撚りをかけた糸を織り込み、製織後微温湯に入れて「しぼ」を立てた絹織物。縞・無地・紋・錦紗などがある。
■博多帯(はかたおび);博多およびその周辺で生産される織物の総称。細い経糸(タテイト)がやや太い緯糸(ヨコイト)を包みこみ、表面には経糸ばかりが出ていて、横畝(ウネ)が際立って見える点が特徴。練糸を使った平織物で、地合が硬く、光沢がある。その素材でつくられた帯。
■西陣の帯(にしじんのおび);京都市西陣を本拠地として製造・販売に従事する個人または団体が製織する織物で、機業の各工業組合規定の証紙・検印の押されたもの。帯・着尺・ネクタイ・洋服地・緞帳など多品種にわたるが、長い伝統に基づく技術や意匠の蓄積、新しい技術・意匠の開発によって、手工芸性を加味した高級紋織物として著名。
■絹布の布団(けんぷのふとん);絹糸で織った布で作られた寝具。
■タスキ十時にあやなし(襷じゅうじに);衣服のそでをたくし上げるために肩から脇にかけて結ぶひも。普通、背中で斜め十文字にうち違いにする。
■後ろ鉢巻き(うしろはちまき);鉢巻きを締めるとき、結び目を後ろでする事。
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