落語「子ほめ」の舞台を行く 春風亭小朝の噺、「子ほめ」(こほめ)より
■長命丸(ちょうめいがん);女悦丸と並んで、四つ目屋の代表的な商品の一つで、明応(1500)の頃作られたとも言われます。効能は「射精が遅れ、水を飲むと途端にイク」というものです。ある時、田舎のお婆さんが長生きの薬と間違えて長命丸を買う。「たんと飲んだら長生きしますかいね」。長命丸を飲んだ婆さんしゃきばって苦しむ。水を飲ませるとたちまち治った。という笑い話もあります。もっと凄い話は、この文章が明治になって、どうゆう訳か女学校の国語の教科書に載って大問題になった事です。長命丸五十六文とあります。
■厄(やく);厄年。災難に遭うことが多いので気をつけるべきだといわれる年。男は数え年の二五・四二・六〇歳。女は一九・三三歳という。陰陽道で説かれたものという。
番頭さん四十だと言うのに厄だと言われたら目まいを起こすでしょう。
■栴檀は双葉より芳し(せんだんはふたばよりかんばし);「栴檀」とは、白檀のことをいう。白檀は香木であり、双葉のときから非常によい芳香を放つことから、すぐれた人物は幼少時代から他を逸したものを持っているということ。
「双葉」は「二葉」とも書く。
「栴檀は双葉より薫じ梅花は蕾めるに香あり」ともいう。
右写真:白檀の花。丸い実が沢山できて、数珠に使われたりします。香木ですから、扇子の骨にしたり、高級な線香に混ぜられたりします。
しかし、栴檀について反論があります。以下http://jinjigate.jp/column_detail/blog_id=3&id=53 より引用
この諺は「栴檀(せんだん)は双葉の頃から香気を放つように、大成する人は幼い頃からすぐれていること」の意味で、平家物語の「栴檀は二葉(ふたば)より芳(かんば)しとこそ見えたれ」から誤って広まったそうです。しかも、この諺には二つの誤りがあります。
■蛇は寸にしてその気を現す(じゃはすんにしてそのきをあらわす);「蛇は一寸にしてその気を得る」と言い、上記と同じ意味。
■お悔やみ(おくやみ);人の死を惜しんで弔う。
■初七日(しょなのか);人の死後、7日目にあたる日。仏事を営む。赤ちゃんが生まれて目出度いのに、言う言葉ではありません。
■お七夜(おしちや);子の生誕の日から7日目の祝。赤ちゃんの生後7日目が「お七夜」です。昔は生後すぐの死亡率が高かったため、1週間たてば一安心と、盛大にお祝いを行ったようです。法律上出生届は、生後14日間のうちに赤ちゃんの名前を届け出ます。
■灘の酒(なだのさけ);タダの酒ではありません。兵庫県神戸市の東灘区・灘区と同県西宮市を合わせた阪神間の地域を指す。酒造りに適した上質の酒米(山田錦)と上質のミネラル水(宮水)が取れ、製品の水上輸送に便利な港があったことから、日本酒の名産地として栄えた。
各地の酒造メーカーの進出も多く、京都の松竹梅、滋賀の道灌なども灘五郷にも工場を置いている。かつては、京都の月桂冠、伊丹市の白雪、和歌山の世界一統なども工場を置いていた。また、忠勇、富貴、富久娘、福徳長など非関西資本の傘下に入ったところもある。あの剣菱ですら京都・伊丹からここ灘に昭和の初め引っ越してきた。
五十三次日本橋、広重画。 対岸には上方からの下り物の蔵が建ち並んでいます。日本橋際には魚市場が有って魚を担いだ商人と、その中に剣菱の樽を担いだ人も居ます。この当時の剣菱は伊丹に蔵がありました。
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