落語「たいこ腹」の舞台を行く 春風亭小朝の噺、「たいこ腹」(たいこばら)
■鍼医(はりい);鍼治療の医者。鍼(はり)=医療用のはり。「針灸・針術」。広辞苑
鍼(はり)もしくは鍼治療とは、身体の特定の点を刺激するために専用の鍼を生体に刺入または接触する治療法である。中国医学等の古典的な理論に基づく。伝統中国医学によれば、経穴を刺激することで経絡として知られる道を通る「気」の流れの異常を正すとされる。
鍼の材質と大きさは、
治療法の管鍼法は杉山和一(落語「柳の馬場」に詳しい)が作り出した刺鍼法である。鍼管の刺激によって切皮痛を激減できるため日本では主流の刺鍼法となっている。鍼を鍼管と呼ばれる管の中に入れ鍼管からでた鍼柄を叩いて皮膚に刺入する。刺入後は鍼管を外し、各種手技を行う。杉山和一は当初、撚鍼法による刺鍼術を体得しようと山瀬琢一に師事していたが、どうしても上達せず山瀬琢一に破門を言い渡されている。その後実家に帰る途中、江の島で偶然石につまずいて転び、その際に竹筒に入った松葉が痛みもなく足に刺さるという経験をし、鍼を管に入れて操作するという手技を考案したとされている。
噺の中に出てくる、「皮つまみの横打ちですよ」と十八が懇願している方法もあった。直鍼刺といって、皮膚をつまみ上げ、皮膚に沿って刺し、肌肉にはあたらないようにする方法。ど素人にはこの方法なら・・・。それともカカトとか。
■たいこ持ち(たいこもち);通常は幇間と書く。男芸者。客の宴席で、座を取り持つなどして遊興を助ける男。
■茶屋(ちゃや);客に飲食・遊興させることを業とする家。芝居茶屋・相撲茶屋・料理茶屋・引手茶屋など。
■女将(おかみ);料亭・旅館・茶屋などの女主人。
■見番(けんばん);芸者屋の取締りをする所。また、芸妓の取次ぎや玉代の精算などをする所。
■カッポレ;「カッポレ、カッポレ、甘茶でカッポレ」という囃子言葉からの名。江戸末期、住吉踊から出た大道芸のひとつ。「かっぽれ」
伝統江戸芸かっぽれ寿々慶会 深川江戸資料館にて
■端唄(はうた);江戸で、文化・文政期に円熟し大成した小品の三味線歌曲。「春雨」「梅にも春」など。これから、歌沢と小唄が派生した。江戸端唄。
■小唄(こうた);江戸末期に、江戸端唄から出た三味線唄。清元関係者が作曲したことも多く、粋でさらっとした短い歌曲で、バチを使わず爪弾する。江戸小唄。早間小唄。
■清元(きよもと);清元節。浄瑠璃の流派のひとつ。広義の豊後節に属する。初世清元延寿太夫が創始。師流の富本節を凌いで急速に隆盛し、江戸歌舞伎の舞踊劇の音楽として盛行。
■新内(しんない);浄瑠璃の流派のひとつ。遠祖は宮古路豊後掾(ジヨウ)門下の富士松薩摩掾(1686~1757)。鶴賀若狭掾が中興の祖で、この流儀(当時は鶴賀節)の基礎を固めた。二世鶴賀新内(
~1810)が美声で評判を高めて以来「新内節」の呼称が定着し、富士松・鶴賀をはじめとする同系統の諸派を包括した流名となる。心中道行物を主とし人情の機微を語る。新内流し=新内を語って町を流して歩くこと。特に吉原では心中奨励唄なので、流しを禁止した。
■日舞(にちぶ);日本舞踊の略。日本で発達した舞踊の総称。特に、近世以降の歌舞伎舞踊や上方舞・新舞踊などを指す。
■名取り(なとり);音曲・舞踊などを習う者が、師匠から芸名を許されること。また、その人。一定の技能に達した弟子に流儀名のうちの字を与え、家元制度の維持をはかるもの。
■生花(いけばな);草木の枝・葉・花などを切り取って、水を入れた花器に挿し、席上の飾りとすること。また、挿したもの。挿花。江戸中期に成立した華道の様式。天地人を象徴する3本の役枝を用いて花姿をととのえるのが特徴。どう間違っても、尻の穴に挿すことは無い。
2015年1月記
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