落語「ふたなり」の舞台を行く 古今亭志ん生の噺、「ふたなり」より
■ふたなり(二成、双成、二形);一つのものが二つの形状を持つことをいい、特に一人で男性と女性の性器を兼ね備えた、いわゆる両性具有を指す。
生殖器以外に雌雄の差をはっきり区別できるものを性的二形と呼び、その現れ方にはさまざまなものがある。体格や体全体の構造が異なる場合もあれば、どちらかに特殊な構造が出現する場合もある。また、両者の運動能力に分化が見られる場合もある。
ここに出て来る亀右衛門さんはごく普通の人で、ふたなりではありません。ま、取り調べでこんがらがってしまったのです。
■両子(りょうし);通常は「ふたご」と読むが、ここではふたなり(両性)の事。
■夜逃げ(よにげ);夜の間にこっそり逃げ去ること。事情があってそこに住んでいられず、夜の間にこっそり引き払って他に移ること。
■ワニザメ(鰐鮫);猛悪な鮫の俗称。
■オカンコ婆;御神子・御巫と書き、ミカンコとも読み、神に奉仕する童女。神に仕えて、神楽を奏して神様をなだめたり、神意を伺い、神おろしなどする人の事(恐山のイタコ等)で、この村のお婆さんは、若い頃から、巫女(みこ)として金を稼ぎ、老後になって、金貸業も営んでいたのでしょう。
■漁師(りょうし);漁をして生活をたてている人。漁夫
■坊主(ぼうず);江戸時代はマゲを切って坊主になると言うことは、人間を失うと同等の意味を持っていました。また、猟師や、趣味で釣りをする人は、大漁を願いますが、雑魚の子一匹捕れないことがあります。それを俗に「ぼうず」と言います。漁師はぼうずを嫌いますし、恥ずかしいことです。
■しごき(扱き帯);女の腰帯のひとつ。一幅(ヒトハバ)の布を適当な長さに切り、しごいて用いる帯。抱え帯。
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