落語「青空お婆さん」の舞台を行く 五代目古今亭今輔の噺、「青空お婆さん」(あおぞらおばあさん)より
■五代目古今亭今輔(ここんてい いますけ);(1898年(明治31年)6月12日 - 1976年(昭和51年)12月10日)は、群馬県佐波郡境町(現:伊勢崎市)出身の落語家。本名は、鈴木 五郎(すずき ごろう)(旧姓:斎藤)。生前は日本芸術協会(現:落語芸術協会)所属。出囃子は『野毛山』。俗にいう「お婆さん落語」で売り出し、「お婆さんの今輔」と呼ばれた。実子は曲芸師の鏡味健二郎。
前回に引き続きまして、五代目今輔です。あまり取り上げられない珍しい噺が二つ続きましたので、お婆さんものを取り上げました。
■脳天気(のうてんき);【能天気・能転気】とも書く。 軽薄で向うみずなさま。なまいきなさま。また、物事を深く考えないさま。
■神経痛(しんけいつう);種々の原因で、特定の神経の走行に沿って起る痛み。座骨・三叉・肋間神経などに起りやすい。
■リュウマチ;関節リウマチとは、関節が炎症を起こし、軟骨や骨が破壊されて関節の機能が損なわれ、放っておくと関節が変形してしまう病気です。
腫れや激しい痛みを伴い、関節を動かさなくても痛みが生じるのが、他の関節の病気と異なる点です。
手足の関節で起こりやすく、左右の関節で同時に症状が生じやすいことも特徴です。
■ベートーベンのバイオリン協奏曲;ベートーヴェン中期を代表する傑作の一つ。彼はヴァイオリンと管弦楽のための作品を他に3曲残している。2曲の小作品「ロマンス(作品40および作品50)」と第1楽章の途中で未完に終わった協奏曲(WoO 5)がそれにあたり、完成した「協奏曲」は本作品1作しかない。しかしその完成度はすばらしく、『ヴァイオリン協奏曲の王者』とも、あるいはメンデルスゾーンの作品64、ブラームスの作品77の作品とともに『三大ヴァイオリン協奏曲』とも称される。 この作品は同時期の交響曲第4番やピアノ協奏曲第4番にも通ずる叙情豊かな作品で伸びやかな表情が印象的であるが、これにはヨゼフィーネ・フォン・ダイム伯爵未亡人との恋愛が影響しているとも言われる。
■ベルリンフィル;ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団(ドイツ語:Berliner Philharmoniker ベルリーナー・フィルハルモニカー)は、ドイツ・ベルリンのフィルハーモニー(Berliner Philharmonie ベルリーナー・フィルハルモニー)に本拠を置くオーケストラ。
■私の青空(わたしのあおぞら);My
Blue Heaven (1927)
原曲はジャズのスタンダード、「My Blue Heaven」です。
日本語訳はエノケンや多くの歌手が歌っています。
ジャズシンガーの二村定一と、孫悟空のエノケンこと榎本健一。
二村定一が明るく歌う「私の青空」は、日本人の庶民感覚とマッチして、これが日本でのこの歌の印象を決定付けました。堀内敬三の歌詞は、原曲のエッセンスを見事に表現していますが、原曲の歌詞とは意味が異なったものになりました。堀内敬三は「Blue
Heaven」、直訳すれば「青い天国」を「青い空」としたために、日中の晴れわたる青空を連想させます。しかし原曲は夕闇が迫る、家族が集う安らぎ時を「闇に包まれる前の、空間が青く感じられる、そして天国の存在を感じるほどの幸せな場所=Blue
Heaven」と表現しています。ブルーと言うと「憂鬱」を連想しがちですが、ここはハワイアン・ブルーやラプソディ・イン・ブルーのイメージです。キリスト教徒ではない日本人にとっては、「青空」のほうが晴々とした幸福を感じるものですが、アメリカと日本の「家族の幸せとやすらぎ」に対する感覚の違いでもあるようです。
2016年9月記 前の落語の舞台へ 落語のホームページへ戻る 次の落語の舞台へ |