落語「お玉牛」の舞台を行く 桂朝丸(二代目 桂 ざこば)の噺、「お玉牛」(おたまうし)より。別名「堀越村」。
■二代目 桂 ざこば;(にだいめ かつら ざこば、1947年9月21日~ )上方の落語家。本名、関口 弘(せきぐち ひろむ)。
大阪府大阪市西成区出身。米朝事務所所属。上方落語協会会員(代表理事)。前名は桂 朝丸(かつら ちょうまる)。出囃子は「御船」(ぎょせん)。愛称は「ざこびっち」。桂雀々とは夫人同士が姉妹であるため義兄弟の間柄。甥(ざこばの妻の弟の子)にJAY'ED。
■堀越村(ほりこしむら);上方落語の舞台として多く登場する典型的な田舎。
この「堀越村」で起こった話が前半部分で、後半が「お玉牛」になります。その前半部分を紹介しますと、
場所は、山また山の中で、堀越村という山村でございます。ここのお庄屋さんが、慈悲深い親切な方。村で、みなしごになりました、お塁さんという子を引き取って、大切に育てました。そのうち、年頃・十八歳になりましたが、これが、“鬼も恥らう番茶も出花”どころか、鬼も逃げ出すぐらい、えげつない顔。しかし、気立ては、至って、よろしい。ちょうど作男の与治兵衛が真面目でよかろうと、村はずれで、世帯を持たせてやります。
■博労(ばくろう);(「馬喰」とも書く)
馬のよしあしを鑑定する人。馬の病をなおす人。また、馬を売買・周旋する人。博労市で買い付けてきた牛。
■鬢付け(びんつけ);鬢付け油。髪油のひとつ。菜種油などと晒木蝋(サラシモクロウ)に香料をまぜて製した固練りの油。主に日本髪で、おくれ毛を止め、髪のかたちを固めるのに用いる。固油。びんつけ。
■下衆鼻(げすばな);身分の低い者。使用人。心のいやしいこと。また、その者が持っている鼻。
■ウニコールの一本こうがい;ウニコールは一角(イツカク)鯨の牙から製した生薬で、毒消し及び健胃剤。昔は痘瘡の薬として用いた。その元となる角(牙)から出来た髪飾りの笄(こうがい)。現在は根付けとして、象牙細工のように使われています。
■牛を寝かす;寝太りと言っても、こんな大きくはならないでしょう。いくら「うん」と言わしても、気が焦っていても、真っ暗だって、もう少し考えて行動しないと、いつまで経っても、女性からはなびかれません。
亀戸天神の伏せ牛。こんな牛が寝床に寝ていたら、それはビックリするでしょう。
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