落語「紀州飛脚」の舞台を行く 露乃五郎(二代目露の五郎兵衛)の噺、「紀州飛脚」(きしゅうびきゃく)より
■巨根を扱った話を。 ・ 向かい合ったアパートの2階同士の若い男女。お互いに魅かれあって話はまとまった。女性が男の所に行きたいが、1階を通ると親にバレてしまう。困っているとかの男、自分の持ち物を長くのばし自分の部屋と相手の部屋を橋渡ししてしまった。「安心して、こっちへおいで」という言葉に、渡りかけた女性は「でも、帰れなくなる」。
・ 『藤岡屋日記』によると、逸物の大きさで離縁になったという江戸の裁判例がありますが・・・。
・ ある日本の大女優が言っていた。「アメ玉はほどよい大きさが、口の中で転がすことが出来て美味しいが、大きすぎるアメは息が詰まって美味しいどろろではない」と。
・ 「女色魚に順ず」というランキングがある。女遊びを魚になぞらえ、評価したものである。
解らない人は置いてきますね。この落語については質問受け付けません。
■「紀州飛脚」は、露骨な描写が多いが、民話の香がただよう大らかさが特色である。この話は橘ノ圓都が聞きおぼえていたものを改作したものである。三代目桂米朝、二代目露の五郎兵衛が得意とする。オチにも、「あごが外れた」という、スゴイものもある。東京では二代目三遊亭円歌が小噺として演じていた。円歌の口演は、江戸落語らしくあっさりした演出で、最後は下の口が横になっているのを見つけた親狐が子狐に「これ、縦におしよ」と注意するというサゲが用いられている。
■飛脚(ひきゃく);急用を遠くへ知らせるつかいの人夫。信書・金銀・貨物などの送達を業とした者。すでに鎌倉時代に京・鎌倉間の鎌倉飛脚・六波羅飛脚などがあったが、定置的な通信機関として江戸時代に発達。継飛脚・大名飛脚・町飛脚など。
■紀州和歌山(きしゅう わかやま);紀州藩(きしゅうはん)は、江戸時代に紀伊国一国と伊勢国の南部(現在の和歌山県と三重県南部)を治めた藩。紀伊藩(きいはん)とも呼ばれる。
版籍奉還後に定められた正式名称は和歌山藩(わかやまはん)。藩庁は和歌山城(和歌山県和歌山市)。藩主は紀州徳川家。紀州家は徳川御三家の一つで、石高は55万5千石。紀伊一国37万石のほか、伊勢国内の17万9千石を統括するために松坂城に城代を置いた。その他、大和国に約1千石の所領があった(石高には御附家老の水野家新宮領と安藤家田辺領を含む)。
大坂の南にあって、大坂の商業圏に入っている商業都市です。
■韋駄天(いだてん);バラモン教の神で、シヴァ神の子とされる。仏教に入って仏法の守護神となり、増長天の八将軍の一。特に、伽藍を守る神とされる。また、小児の病魔を除く神ともいう。捷疾鬼(しょうしつき=顔かたちが恐ろしく、性質が猛悪なインドの鬼神)が仏舎利を奪って逃げ去った時、これを追って取り戻したという俗伝から、よく走る神として知られる。
■尻からげ(しりからげ);着物の後ろの裾をまくり上げて、その端を帯に挟むこと。尻はしょり。「尻絡げして駆け出す」。
■劫経る(こうをへる);長い年月を経る。年功を積む。
■立て矢の字;帯の結び方の一種。矢の字結びの変形。
■懸想(けそう);思いをかけること。恋い慕うこと。
■後家相(ごけそう);夫に死別して、その家を守っている寡婦。やもめ。未亡人。の人相、手相。
■階(きざはし);昇降するために造った段。階段。きだはし。
■御簾(みす);簾(ス)の尊敬語。すだれ。
■几帳(きちょう);屏障具の一。室内に立てて隔てとし、また座側に立ててさえぎるための具。台に2本の柱を立て、柱の上に1本の長い横木をわたし、その横木にとばりを掛けたもの。御帳台、壁代、御簾のつら、女性の座側などに立てる。冬は練絹に朽木形、夏は生絹(スズシ)に花鳥など。また裾濃(スソゴ)・香染・綾・白・鈍色(ニビイロ)などがあり、4尺・3尺の几帳、枕几帳・寄几帳・指几帳など、種々ある。
■ネキ(根際);(上方方言) きわ。そば。
■強い(こわい);物がかたくて処理しにくい。弾力がない。
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