落語「めがね屋」の舞台を行く 桂小南の噺、「めがね屋」(ねがねや)。別名「眼鏡屋盗人」、「がみはり」
■石川五右衛門(いしかわごえもん);安土桃山時代の伝説的な盗賊。1594年、三条河原で子供と共に釜煎(い)りの刑(釜ゆでと言われるが、水も湯も入っていず、から煎りにされたという)に処せられたという。浄瑠璃「釜淵双級巴(かまがふちふたつどもえ)」、歌舞伎「楼門五三桐(さんもんごさんのきり)」など多くの作品の題材とされた。
■鼠小僧(ねずみこぞう);鼠小僧次郎吉(1797~1832)。盗んだ金を貧乏人たちに施す「義賊」と呼ばれた大泥棒。実際は違っていて、武家屋敷に侵入して金銀を盗み、遊興費に使い果たした。処刑され、両国の回向院に墓がある。その墓を削って持っていると、賭け事に勝てるという俗信がある。
■ちんどん屋;締太鼓と鉦(当たり鉦)を組み合わせたチンドン太鼓などの演奏、および諸芸や奇抜な衣装・仮装によって街を廻りながら、依頼者の指定した地域・店舗へ人を呼び込む。 また集客した上で宣伝の口上やビラまきなどで商品の購入を促す。21世紀の現在では存在そのものが珍しくなったため、自治体主催の祭り会場に招かれることも多い。写真:区民祭でのちんどん屋。
■がんを張る(がんをはる);泥棒仲間内の符丁で中の様子をうかがうこと。
■将門メガネ(まさかどめがね);八角眼鏡、タコタコ眼鏡とも言われる。複眼鏡の一つ。板に据えられたレンズがトンボの目のように多面にカットされ被写体が複数重なって見える。江戸末期には子供達にこれを覗かせる大道芸もあった。
どれも将門眼鏡ですが、左から、紅毛百眼鏡。羽子板にはめ込まれたもの。単体の物で、赤いのは最近のものでプラスティックで出来ています。「おもちゃ博物館17」 多田敏捷編 京都書院発行より(千代田区図書館蔵)
「おもちゃ博物館17」より。どの図もクリックすると大きくなります。
■望遠鏡(ぼうえんきょう);古くは「遠眼鏡(とおめがね)」とも呼ばれた。口径の大きな対物レンズ(反射式においては反射鏡)と口径が小さい接眼レンズに分かれる。対物レンズは凸レンズであり、接眼レンズが凹レンズであれば正立像が得られる(ガリレオ型望遠鏡)。これは一眼レフ方式のカメラのファインダーと同じ構造である。望遠レンズのように焦点距離が長い対物レンズを使うと、大きな像が得られる。接眼レンズを凸レンズにすれば倒立像となる(ケプラー型望遠鏡)が、さらに大きな倍率が容易に得られる。これをそのまま天体に向ければ天体望遠鏡となる。又逆から覗くとその倍率だけ小さな像が見られる。
■拡大鏡(かくだいきょう);レンズで物体を拡大して観察する光学機器。凸レンズ(虫眼鏡のしくみ)か、フレネルレンズが使われる。
■眼鏡屋看板
江戸東京博物館蔵。
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