落語「悋気の見本」の舞台を行く 八代目 三笑亭可楽の噺、「悋気の見本」(りんきのみほん)より
■八代目 三笑亭可楽(さんしょうてい からく);江戸時代よりその名が続く名跡。名の由来は「山椒は小粒でひりりと辛い」から「山生亭花楽」とし後に松戸の贔屓客から「虎渓三笑」の故事に因んで「三笑亭可楽」とした。
毎年4月上旬に、当代可楽一門よって「可楽まつり」が行われる。
■新作落語;八代目文楽の「かんしゃく」や今でも演じられる「堪忍袋」と同じ益田太郎冠者の新作です。他愛のない噺ですが、売れる前の志ん生も演って、その速記が戦前、雑誌に掲載されたのが落語で生活が出来るきっかけになったと言う。
■悋気(りんき);ねたむこと。特に情事に関する嫉妬。やきもち。臨機(りんき)応変なら良いのですがね~。
■三界に家なし(さんがいにいえなし);どこにも安住すべき家がない意。『三階に家なし』ではありません。
■外面如菩薩内心如夜叉(げめんにょぼさつ ないしんにょやしゃ);女性の顔は美しく柔和に見えるが、その心根は険悪で恐るべきである。外面似菩薩(ジボサツ)内心如夜叉(ニヨヤシヤ)とも言う。
■女の人は、幼に親に従い、嫁して夫に従い、老いては子に従い;中国で、古来用いられた婦人の生涯に対する箴言 (しんげん) 。『礼記』や『儀礼』などにもみえる。女性は「幼にしては父兄に従い、嫁しては夫に従い、夫死しては (老いては) 子に従う」ものとされ、家庭のなかにおける婦人の従属性を示す言葉。男性中心の儒教道徳から生れた女性道徳の原則。三従
(さんじゅう)。
■悋気は去るべし;一度嫁しては、其の家を出ざるを、女の道とすること。若し女の道にそむき、去るゝ時は、一生の恥なり。されば 婦人に七去とて、悪きこと七あり。
■暗剣殺(あんけんさつ);九星で、その年の五黄土星と相対する方位。最も慎まなければならない大凶の方位という。
■不行儀(ふぎょうぎ);(ブギョウギとも) 行儀がわるいこと。無行儀(ブギヨウギ)。
■箱根(はこね);神奈川県南西部の一角、箱根カルデラ近辺の一帯を指す地名。
地図の上では、行政区画としての箱根町におおむね重なる。
古来東海道の要衝であり、「天下の険」と謳われた難所箱根峠のふもとには宿場や関所が置かれた。近代以降は保養地・観光地として発展。各所に湧く温泉や、芦ノ湖、大涌谷、仙石原などがとりわけ有名である。1936年に「富士箱根国立公園」(現・富士箱根伊豆国立公園)に指定されている。地図・芦ノ湖の写真は箱根観光協会より
芦ノ湖は約40万年前、箱根火山のカルデラ(くぼ地)にできた湖です。南岸の杉並木街道から眺める逆さ富士などの景勝地として有名ですが、古くから漁業でも栄えてきました。現在でもニジマス、ワカサギなどが多く、絶好の釣り場となっています。特にワカサギは毎年10月1日に漁が解禁されると、その初漁の魚は箱根神社に奉納され、さらに宮内庁に献上されるのが恒例です。ワカサギを漢字で「公魚」と書くのは、そのことに由来すると言われます。
■下女(げじょ);炊事や雑事に召し使われる女性。女中。
■書生(しょせい);他人の家に世話になり、家事を手伝いながら学問する者。
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