落語「珍品落語集」の舞台を行く 桂米朝の噺、「珍品落語集」(ちんぴんらくごしゅう)より。「落語小話集」
■こなから;1升の半分は”なから”と言います。その半分を”こなから”と言い、2合5勺です。1/4升。
■仕草オチ;仕草だけでオトす落語。「蛇含草」、「疝気の虫」等が有りますが、これらは言葉で落とすことも出来ますが、仕草だけでオトす噺が有ります。
■顔の縦横の長さ;指を広げて顔の長さを測ります。
左から、顔の縦を計る、一つと半。 口を開いて、二つだ。 戻ってきてやると一つ半だった。
■奥様の屁;江戸落語の「四宿の屁」の中に、千住の花魁が言うには・・・。
■高野山(こうやさん);和歌山県北部、和歌山県伊都郡高野町にある周囲を1,000m級の山々に囲まれた標高約800mの平坦地を指す。平安時代の弘仁7年(816年)に嵯峨天皇から空海(弘法大師)が下賜され、修禅の道場として開いた日本仏教における聖地の一つ。現在は「壇上伽藍」と呼ばれる根本道場を中心とする宗教都市を形成している。山内の寺院数は高野山真言宗総本山金剛峯寺(山号は高野山)、大本山宝寿院のほか、子院が117か寺に及び、その約半数が宿坊を兼ねている。
噺の中にも有るように、高野山の厠は気持ちいいと言っているように、世俗では”高野さん=厠”の隠語として使われました。
■厠(かわや);便所。現代の水洗便所。厠は数ある便所の別名の中でも古く、奈良時代から見られる。712年古事記には、水の流れる溝の上に設けられていたという。少し前までは母屋の側の屋外に便所を作るのが一般的で、「側屋(かわや)」とする説もある。
■飛脚(ひきゃく);信書や金銭、為替、貨物などを輸送する職業またはその職に従事する人のこと。単純な使い走りとは違い、事業が組織化されているのが特徴。
■明石(あかし);兵庫県の南側かつ淡路島の北側に位置し、淡路島が望める。東西に長く、瀬戸内海(播磨灘)に面している自治体。古代から阪神と播磨を結ぶ陸上交通、本州から淡路島を経て四国に通じる海上交通の重要な拠点になっており、明石海峡大橋開通前は明石フェリーが玄関口であった。近年は神戸市や大阪市、阪神間のベッドタウンとして住宅が造成された。JR明石駅からJR三ノ宮駅(三宮)までの所要時間は新快速で15分、JR大阪駅(梅田)までは37分で行け、飛脚を頼まなくても楽に行ける地になった。
旧街道・山陽道を通って大坂から明石まで行きます。大坂-尼崎-西宮(-芦屋)-兵庫(神戸)-(須磨-舞子)-明石(人丸神社。行程15里=60km)ですが、後半もう少し細かく説明しています。飛脚が疲れて(?)きたので、寄る所が多くなったのでしょうか。
■西宮(にしのみや);兵庫県の南東部にある人口約49万人(2016年6月現在)の市。恵比寿さんと甲子園球場が有るところ。京都から来る西国街道と大坂から来る街道とがここで合流します。恵比寿は毎年1月9日から11日の十日戎で「福男選び」の神事を行うことでも知られる西宮神社。
上写真;西宮神社。恵比寿さんが祀られているので有名。
■兵庫(ひょうご);神戸市兵庫区の中心で、JR山陽線の兵庫駅が有り、その南に平行して国道2号線が走る。
摂津名所図会より兵庫にあった「兵庫生洲」。生け簀に魚が泳いでいる。
■須磨(すま);、神戸市を構成する9区のうちのひとつで、同市の西部に位置する。南部の板宿を中心とする旧市街地、北部の妙法寺や名谷を中心とする新興市街地など様々な街の景色を持つ。
平安時代末期に起きた一ノ谷の戦いの舞台でもある。また、須磨海岸は古来より白砂青松の美しい砂浜を持つ海岸として有名で、近年は京阪神地域随一の海水浴場でもあります。
■舞子の浜(まいこのはま);神戸市垂水区の南西部にあり、明石市に接する地区である。旧山田村の地域、現在の西舞子・東舞子町の海岸に舞子の浜がある。昭和16年7月に神戸市に合併されるまでは、明石郡山田村に属していた。山陽線・舞子駅が有り、ここから淡路大橋で淡路島と繋がっている。
■人丸神社(ひとまるじんじゃ);正式には柿本神社(かきのもとじんじゃ)と呼ばれ、柿本人麻呂朝臣を祀る。兵庫県明石市人丸町にある神社。人丸山の頂上に鎮座するが、山名も当神社に因むものである。旧くは「人丸神社」と称し、地元では「人丸さん」とも呼ばれる。
「天離る 夷の長通ゆ 恋ひ来れば 明石の門より 大和島見ゆ」 柿本人麿 万葉集所載
柿本神社。この神社の境内で飛脚が寝込んでしまった。
■小便1丁糞8丁;小便一町糞一里とも。
《小便のときは1町遅れ、大便のときは1里遅れる意から》歩いて旅などをするとき、大小便のために同行者に遅れることをいう。
飛脚として走っているので、もっと遅れる。1丁(町)は、約109m。
■堺(さかい);大阪府泉北地域に位置する政令指定都市。
大阪府による地域区分では泉北地域とされる。大阪府内で人口・面積ともに第2の都市。一方、居住人口に比べて昼間人口の割合が低く、大阪市の衛星都市としての特徴も併せ持っている。
■堺筋の飛田(さかいすじのとびた);堺筋(さかいすじ)は、大阪府大阪市中心部の南北幹線道路。和歌山へ至る紀州街道の一部区間にあたり、江戸時代の船場において堺へ出る道であったことから堺筋と呼ばれ定着した。当時から人通りが多く、南北方向のメインストリートであった。
飛田遊廓(とびたゆうかく)は、大阪市西成区の山王3丁目一帯に存在した遊廓、赤線。大正時代に築かれた日本最大級の遊廓と言われた。現在もちょんの間が存在し、通称飛田新地(とびたしんち)と呼ばれる。
現在料亭として営業している「鯛よし百番」は、大正中期に遊廓として建てられた建物を使用しており、2000年に国の登録有形文化財となった。
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