落語「筍」の舞台を行く 桂米朝の噺、「筍」(たけのこ)より。別名「かわいや」。
■原話;享保11年版「軽口初笑」所載の「こぼれさいわい」に有る。元来、上方ばなしで、戦前活躍した四代目円生門下の三遊亭新朝がやった。
この噺は小話で、侍が出てくるマクラに使われるものです。今回も「試し切り」のマクラに使われた噺です。
■筍(たけのこ);竹の子。イネ科タケ亜科タケ類(一部はササ類も含む)の若芽。日本や中国などの温帯から亜熱帯に産するものは食材として食されている。広義には、竹の皮(稈鞘)が稈に付着していて離脱するまでのものであれば地上に現れてから時間が経過して大きく伸びていてもタケノコといえるが、一般には食用とする地上に稈が出現する前後のもののみを指す。夏の季語。
竹の子医者の小話、
筍の所有権
『下屋敷の筍つみ』 二代目豊国画
■可内(べくない);芝居では奴の名前に~内と付けるのが型になっているという。(桂米朝談)。
■泥脛(どろずね);汚れた足。泥足。
■不埒(ふらち);法にはずれていること。道にそむいていること。ふとどき。不法。また、埒のあかないこと。物事の決着のつかないこと。要領を得ないこと。「埒」は馬場の外囲いの意。転じて物事のくぎり、秩序の意。
■間者(かんじゃ);敵方の様子を探る者。間諜(かんちょう)、スパイ。
■手討ち(てうち);自分の領地内で起こった裁判事は、幕府の権限が及ばない自藩で裁くことが出来た。死罪の時は、手打ちと言って、藩内で処刑した。別名を無礼討(ち)(ぶれいうち)とも。
斬り捨て御免は正当防衛的な行為と認識されていた。しかし、それはあくまで建前であり、喧嘩による斬り捨て御免も「無礼討ち」として処理されていた。あくまでも正当防衛の一環であると認識されているため、結果的に相手が死ぬことはあっても、とどめを刺さないのが通例である。また無礼な行為とそれに対する切捨御免は連続している必要があり、以前行われた無礼を蒸し返しての切捨御免は処罰の対象となった。
■高野(こうや);厠(かわや)の異称。便所のことを「高野さん」と、戦前まで使っていた。
2019年1月記 前の落語の舞台へ 落語のホームページへ戻る 次の落語の舞台へ |