落語「茶漬け閻魔」の舞台を行く
小佐田定雄原作
■小佐田定雄(おさださだお);(1952年2月26日 - )この噺の原作者。日本の演芸研究家、演芸作家、落語作家、狂言作家。関西演芸作家協会会員。本名、中平定雄。大阪府大阪市生まれ。1974年に関西学院大学法学部卒業。妻は、弟子のくまざわあかね。
■閻魔(えんま);〔仏〕(梵語Yama)
地獄に堕ちる人間の生前の善悪を審判・懲罰するという地獄の主神、冥界の総司。地蔵菩薩の化身ともいう。像容は、冠・道服を着けて忿怒の相をなす。もとインドのヴェーダ神話に見える神で、最初の死者として天上の楽土に住して祖霊を支配し、後に下界を支配する死の神、地獄の王となった。地蔵信仰などと共に中国に伝わって道教と習合し、十王の一となる。焔摩。閻羅。閻魔王。閻魔大王。閻魔法王。閻魔羅闍(エンマラジヤ)。
■キリスト(きりすと);[前4ころ~30ころ]キリスト教の始祖。30歳ごろに洗礼者ヨハネから洗礼を受け、以来、当時のユダヤ教に対し改革的な運動をし始め、ペテロ(シモン)をはじめ多くの弟子と信者の信仰を得た。ちなみに30歳以前にどう過ごしていたのかは聖書には明記されていないため不明。だが父親が大工だったことや他人から「あの人は大工ではないか」と呼ばれる節があることなどから、おそらく大工だったのではないかと推測されることが多い。
おもに道徳的な指導、つまり説教をし、とくに当時社会的に低い位置にある人々(奴隷、娼婦、etc)の心を掴むのが得意だったようである。「(精神的に)貧しいものは幸いである。神の国は彼らのものである」といい、「敵を愛し、自分を迫害するもののために祈りなさい」と述べた他、「明日のことで思い悩むな」と語った。しばしば病人や奴隷、娼婦に対し他の人々と同等かそれ以上に扱い、そしてその多くを心身ともに救済したことから、弱者の味方として多くの信者を抱えたとされる。彼の思想は愛や相互の思いやりに根差したものが多かった。
■釈迦(しゃか);紀元前5世紀前後の北インドの、仏教の開祖。
■精進料理(しょうじんりょうり);精進料理の特徴は、野菜・豆類など、植物性の食材を調理して食べることにある。サラダのように一品の料理として野菜を生のまま食べるという概念が中国や日本の食文化に定着するまでは、野菜・豆類は基本的に加熱調理する必要があった。これらを使う精進料理は、あく抜きや水煮といった時間と手間のかかる下処理を必要とすることが多いのが、特徴のひとつである。これらの複雑な調理技術や使用する食材に対する概念は、多くの料理人や料理研究家に影響を与え、料理分野全体の水準向上に貢献してきた。単純な食材を、多くの制約がある中で調理するため、さまざまな一次・二次加工が施されてきたことも特徴のひとつである。
■カレー(かれー);黄褐色で粉末状の、辛味の強い混合香辛料。ウコン・コエンドロ・コショウ・ショウガ・トウガラシ・カラシ・オールスパイス・チョウジなど多種の香辛料を配合して作る。インドが主産地。カレー。カリー。
■お茶漬け(おちゃづけ);主に米飯に茶をかけた料理のこと。茶をかける御飯の食べ方を指していることもある。お茶漬けと丁寧に呼ばれる場合もある。場合によっては白湯をかけた場合でも茶漬けと呼ぶことがあるものの、白湯をかけた場合は一般に湯漬けと呼んで区別される。 炊き干しされた一般的な飯に白湯やスープ(出汁など)を合わせ食べさせ方は米食の慣習がある地域で広く見られる。茶粥としては大和国の寺院で古くから食べられていたとされる。 レシピによっては、茶ではなく出汁をかけた料理や、出汁に限らず何らかのスープをかけた料理を「茶漬け」と呼ぶ場合があり、呼称には幅がある。
「お茶漬け」、永谷園のお茶漬けと、豪勢に盛ったお茶漬け。落語「茶漬け間男」より
■閻魔の庁(えんまのちょう);閻魔王が亡者の生前の罪悪を取り調べる所。
■見る目嗅鼻(みるめかぐはな);閻魔の庁にあるという、男女の人頭を幢(ハタホコ)の上にのせたもの。よく亡者の善悪を判別するという。地獄の閻魔(えんま)の庁の人頭幢(にんずどう)。これは幢(はたほこ=法会などで寺の庭に立てる小さい旗を先につけたほこ)の上に男女の首をのせたもので、亡者の善悪を判断するという。男(見目)は凝視し、女(嗅鼻)は嗅ぐ相を示す。これによって、亡者の善悪を判断するといわれる。
■亡者(もうじゃ);死んだ人。成仏(ジヨウブツ)しない死者の魂魄が冥途に迷っているもの。
■地獄(じごく);〔仏〕(梵語 naraka
奈落、 niraya 泥梨の訳)
六道の一。現世に悪業(アクゴウ)をなした者がその報いとして死後に苦果を受ける所。贍部洲(センブシユウ)の地下にあり、閻魔(エンマ)が主宰し、鬼類が罪人を呵責(カシヤク)するという。八大地獄・八寒地獄など、多くの種類がある。 反対語:極楽。
右図:葛飾北斎画「北斎漫画・地獄」より。
■閻魔帳(えんまちょう);1 閻魔王が死者の生前の行為や罪悪を書きつけておくという帳簿。
■極楽(ごくらく);〔仏〕(梵語Sukh vat
)
■老子(ろうし);中国、春秋戦国時代の思想家。道教の三尊の一で、道家の祖。史記によれば、姓は李、名は耳、字は(タン)または伯陽。楚の苦県(コケン=河南省)の人。周の守蔵室(図書室)の書記官。乱世を逃れて関(函谷関または散関)に至った時、関守の尹喜(インキ)が道を求めたので、以下を説いたという。
■孟子(もうし);中国、戦国時代の思想家。山東鄒(スウ)の人。名は軻、字は子車・子輿。学を孔子の孫の子思の門人に受け、王道主義を以て諸国に遊説したが用いられず、退いて弟子万章らと詩書を序し、孔子の意を祖述して「孟子」7編を作る。その倫理説は性善説に根拠を置き、仁義礼智の徳を発揮するにありとした。(372~289)。
■孔子(こうし);(呉音はクジ)
中国、春秋時代の学者・思想家。儒家の祖。名は丘。字は仲尼(チユウジ)。魯の昌平郷陬邑(スウユウ=山東省曲阜)に出生。尭・舜・文王・武王・周公らを尊崇し、古来の思想を大成、仁を理想の道徳とし、孝悌と忠恕とを以て理想を達成する根底とした。魯に仕えたが容れられず、諸国を歴遊して治国の道を説くこと十余年、用いられず、時世の非なるを見て教育と著述とに専念。その面目は言行録「論語」に窺われる。後世、文宣王・至聖文宣王と諡(オクリナ)する。(551~479)。
■マホメット(まほめっと);マホメット教、イスラム教の開祖。
■道元(どうげん);鎌倉初期の禅僧。日本曹洞(ソウトウ)宗の開祖。京都の人。内大臣久我(土御門)通親の子。号は希玄。比叡山で学び、のち栄西の法嗣に師事。1223年(貞応2)入宋、如浄より法を受け、27年(安貞1)帰朝後、京都深草の興聖寺を開いて法を弘めた。44年(寛元2)越前に曹洞禅の専修道場永平寺を開く。著「正法眼蔵」「永平広録」など。諡号(シゴウ)は承陽大師。(1200~1253)。
■日蓮(にちれん);鎌倉時代の僧。日蓮宗の開祖。初め蓮長。安房国小湊の人。初め天台宗を学び高野山・南都等で修行、仏法の真髄を法華経に見出し、1253年(建長5)清澄山で日蓮宗を開いた。辻説法を行なって他宗を攻撃し、「立正安国論」の筆禍により伊豆に流された。赦免後も言動を改めず、佐渡に流される。74年(文永11)赦されて鎌倉に帰り、身延山を開く。武蔵国池上に寂。著「観心本尊抄」「開目抄」など。(1222~1282)。
■法然(ほうねん);鎌倉時代初期の僧である親鸞(しんらん)のその師。浄土宗の開祖。諱(イミナ)は源空。美作(ミマサカ)の人。父の遺言で出家。比叡山に入り、皇円・叡空に師事。43歳のとき専修念仏に帰し、東山吉水(ヨシミズ)で浄土法門を説く。また、大原で南都北嶺の僧徒と法門を論じた(大原問答)。1207年(承元1)弟子の住蓮・安楽の死罪事件を契機として讃岐に流罪となったが、同年末には許される。著「選択(センチヤク)本願念仏集」など。諡号(シゴウ)は円光大師など。黒谷上人。吉水上人。(1133~1212)。
■親鸞(しんらん);鎌倉初期の僧。浄土真宗の開祖。皇太后宮大進日野有範の長子。綽空・善信とも称した。慈円、のちに法然の弟子となる。1207年(承元1)念仏弾圧により越後に流され、この間、愚禿と自称して非僧非俗の生活に入る。のちの恵信尼を妻にしたのはこの頃とされる。11年(建暦1)赦免され、晩年に帰京するまで久しく常陸国稲田郷など関東にあって信心為本などの教義を以て伝道布教を行う。著「教行信証」「唯信鈔文意」「浄土文類聚抄」「愚禿鈔」など。諡号(シゴウ)は見真大師。本願寺を建立。(1173~1262)。
■良寛(りょうかん);江戸後期の禅僧・歌人。号は大愚。越後の人。諸国を行脚の後、帰郷して国上山(クガミヤマ)の五合庵などに住し、村童を友とする脱俗生活を送る。書・漢詩・和歌にすぐれた。弟子貞心尼編の歌集「蓮(ハチス)の露」などがある。(1758~1831)。
「寛に親しむ」良寛記念館蔵。
■一休(いっきゅう);室町中期の臨済宗の僧。諱(イミナ)は宗純、号は狂雲。一休は字(アザナ)。後小松天皇の落胤(らくいん)といわれる。京都大徳寺の住持。詩・狂詩に巧みで書画をよくする。禅院の腐敗に抗し、奇行が多かった。詩集「狂雲集」。一休諸国咄などに伝説化され、小説・戯曲に描かれる。(1394~1481)。
■乳ボーロ(ちちぼーろ);大阪前田 乳ボーロ。原材料、ばれいしょでん粉、砂糖、鶏卵、ぶどう糖、麦芽糖水飴、寒梅粉、脱脂粉乳、卵殻カルシウム、等で作られた一口菓子。
■蜘蛛の糸(くものいと);芥川龍之介の児童向け短編小説。芥川龍之介のはじめての児童文学作品で、1918年に発表された。
■血の池(ちのいけ);地獄にあり、血をたたえているという池。
■自業自得(じごうじとく);仏教用語。みずから行なった善悪の行為によって、本人自身がその報いを受けること。よい行為によってよい結果がその本人に生じ、悪い行為によって悪い結果がその本人に生じること。転じて、自分のしたことだから悪い報いを得てもやむをえないということ。
■茶屋遊び(ちゃやあそび);京坂地方でこの形式が発達し、大坂の堀江、曾根崎などの遊所は茶屋株での営業であり、これを色茶屋といった。〈茶屋遊び〉といえば遊所への出入りを意味した。遊郭が認められない場合に茶屋として営業する例は多く、地方都市で茶屋町といえば私娼(ししよう)街のことであった。
■針の山(はりのやま);地獄にあるという、針の植えてある山。罪人を追い込んで苦しめる所。転じて、苦痛に責めさいなまれる場所のたとえ。
■赤鬼さん(あかおにさん);赤い色をした鬼。生前に貪欲だった者は、死後に餓鬼道に落ち、餓鬼になるとされている。また、青鬼と対になって地獄で閻魔の配下として、鬼が獄卒の役を務めているとされる。
■浄玻璃の鏡(じょうはりの かがみ);閻魔が亡者を裁くとき、善悪の見きわめに使用する地獄に存在するとされる鏡。
閻魔王庁に置かれており、この鏡には亡者の生前の一挙手一投足が映し出されるため、いかなる隠し事もできない。おもに亡者が生前に犯した罪の様子がはっきりと映し出される。もしこれで嘘をついていることが判明した場合、舌を抜かれてしまうという。また、これで映し出されるのは亡者自身の人生のみならず、その人生が他人にどんな影響を及ぼしたか、またその者のことを他人がどんな風に考えていたか、といったことまでがわかるともいう。また、浄玻璃鏡は水晶製であると言われている。
■再審(さいしん);確定した有罪判決に重大な誤りがある場合に、裁判をやり直す手続き。判決を受けた人や検察側などが確定判決を言い渡した裁判所に請求する。裁判所は(1)確定判決の根拠となった証拠が虚偽だった(2)無罪とすべき新証拠が見つかった。などと判断すれば、再審開始を決定する。
■上告(じょうこく);民事訴訟・刑事訴訟の裁判過程における上訴の一つ。日本において、
■国家試験制度(こっかしけんせいど);
国家資格とは、法律に基づいて国や国から委託を受けた機関が実施する資格です。
有資格者は、知識や技術が一定水準以上に達していることを国によって認定されます。
弁護士などの資格習得が業務遂行のための必須条件となっている業務独占資格や、中小企業診断士などの有資格者だけが名乗ることを認められている名称独占資格、特定の事業を行う際に法律で義務づけられている設置義務資格(宅建など)があります。取得は困難ですが、国から職業的な地位を保障され、社会的な信用度も高い資格です。
227種の資格制度が有ります。
■世襲(せしゅう);身分・財産・職業などを、嫡系の子孫が代々受け継いでいくこと。江戸時代では当たり前の事で有ったが、実力を求める・奉行職や大老などは実力を重んじられ、幕府では世襲とはいかなかった。
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