落語「月に群雲」の舞台を行く
小佐田定雄作
■小佐田定雄(おさださだお);(1952年2月26日
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)この噺の原作者。日本の演芸研究家、演芸作家、落語作家、狂言作家。関西演芸作家協会会員。本名、中平定雄。大阪府大阪市生まれ。1974年に関西学院大学法学部卒業。妻は、弟子のくまざわあかね。
■七代目 笑福亭 松喬(しちだいめ しょうふくてい しょきょう);(1961年3月4日 - )は、上方の落語家。所属事務所は松竹芸能。本名は井田 達夫(いだ たつお)。六代目笑福亭松喬一門。
■蛇の道は蛇(じゃのみちはへび);同類の者のすることは、同じ仲間なら容易に推測ができるということのたとえ。また、その道の専門家は、その道をよく知っているということのたとえ。
■素人(しろうと);ある物事に経験のない人。その事を職業としない人。専門でない人。しらひと。
■泉州堺(せんしゅう さかい);大阪府南西部の泉州地域(和泉国)を指し、その地の堺市をいう。
■合い言葉(あいことば);お互いが仲間であることを確認するため、前もって問と答とを打ち合せておく合図の言葉。「山」と言えば「川」と答えるなど。この噺では、『月に群雲』と問えば『花に風』。
■月に群雲(叢雲)花に風(つきにむらくも はなにかぜ);世の中の好事には、とかく障害の多いことのたとえ。よいことには邪魔がはいりやすく、長続きしないものだというたとえ。
■下寺町のずく念寺(したでらまちの ずくねんじ);大阪市天王寺区の下寺町にあるという架空の寺。
■国宝級(こくほうきゅう);重要文化財のうち、特に学術的価値が高いもの、美術的に優秀なもの、文化史的意義の深いものとして、文部大臣が指定した建造物・彫刻・工芸品・古文書など。それと同等品。
■十一面観音像(じゅういめん かんのんぞう);梵名エーカダシャムカ。仏教の信仰対象である菩薩の一尊。観音菩薩の変化身(へんげしん)の1つであり、六観音の1つでもある。頭部に11の顔を持つ菩薩。梵名は「11の顔」、「11の顔を持つもの」の意。
写真:左、木造十一面観音立像 奈良県奈良市法華寺町にある仏教寺院。法華寺(平安時代作、国宝)
■千手観音(せんじゅかんのん);仏教における信仰対象である菩薩の一尊。千本の手は、どのような衆生をも漏らさず救済しようとする、観音の慈悲と力の広大さを表している。この経の中に置かれた『大悲心陀羅尼』は現在でも中国や日本の天台宗、禅宗寺院で読誦されている。六観音の一尊としては、六道のうち餓鬼道を摂化するという。また地獄の苦悩を済度するともいい、一切衆生を済度するに、無礙の大用あることを表して諸願成就・産生平穏を司るという。
■笑福亭 喬介(しょうふくてい きょうすけ);(1981年7月22日 - )松喬の弟子。大阪府堺市出身の落語家。本名は川崎 直介(かわさき なおゆき)。所属事務所は松竹芸能。上方落語協会会員。近畿大学文芸学部卒業。落語研究会の先輩である旭堂南龍(前名・南青)が講談師になったことからプロの芸人を志すようになり、南青(当時)に相談したところ笑福亭三喬(現・松喬)を勧められ、2005年6月1日に三喬の2番弟子として入門。
■七福神(しちふくじん);七柱の福徳の神。大黒天・蛭子(エビス)・毘沙門天・弁財天・福禄寿・寿老人・布袋(ホテイ)。「七福神」として宝船に乗り、縁起物にもなっている。落語「一目上がり」、「七福神」に詳しく載っています。
■弁天さん(べんてんさん);弁才天(弁財天)
七福神の中の紅一点で元はインドのヒンドゥー教の女神であるサラスヴァティー神。仏教に取り入れられ、音楽・弁才・財福・知恵の徳のある天女となり選ばれた。七福神の一柱としては「弁財天」と表記されることが多い。水の女神であるが、次第に芸術・学問などの知を司る女神と見做されるようになった。ヒンドゥー教の創造の神ブラフマーの妻である(元々はヴィシュヌの妻であったという説もある)。
■難民船(なんみんせん);母国を脱出する難民を乗せた船。特に、密航を斡旋 (あっせん) する業者が不法に航行させる船舶をいう。
■伊万里焼(いまりやき);有田(佐賀県有田町)を中心とする肥前国(現代の佐賀県および長崎県)で生産された磁器の総称。製品の主な積み出し港が伊万里であったことから、消費地では「伊万里焼」と呼ばれた。有田の製品のほか、三川内焼、波佐見焼、鍋島焼なども含む。
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