落語「附子」の舞台を行く 二代目三笑亭夢丸の噺、「附子」(ぶす)より
■附子(ぶす);トリカブトの毒のこと。トリカブトはキンポウゲ科の多年草。高さ約1m。秋、梢上に美しい紫碧色の花を多数開く。塊根を乾したものは烏頭(ウズ)または附子(ブシ)といい、猛毒であるが生薬ともする。同属近似の種が多く、それらを総称することが多い。種によって薬効・毒性は異なる。カブトギク。カブトバナ。トリカブトの塊根または支根をとって乾した生薬。興奮・鎮痛・代謝亢進のために用いる。主成分はアコニット‐アルカロイド。猛毒がある。ぶす。右写真。
■附子(ぶす);有名な狂言の演目。
これを改作して、「留守番小坊主」などの題で落語として演じられます。
■砂糖(さとう);日本で産業的な製糖が広まったのは江戸時代である。それ以前の日本においては、砂糖は輸入に頼る貴重品であった。一方、狂言は室町時代から江戸時代初期にかけて発展してきた芸能であり、当時の価値観が反映されている。したがって『附子』の中で、主が毒だと嘘をついてまで「砂糖」という貴重品を使用人に見せたくなかったこと、太郎冠者らが争うように食べつくしたこと、どちらも当時としては合点がいくことだった。
■蜜(みつ);草花や樹木が分泌する甘い汁のこと。また、それを蜜蜂が多くの植物から集めた蜂蜜、あるいは人間によって精製された糖蜜のこと。甘い汁。「蜂蜜・糖蜜・蜜蝋」。
■二代目三笑亭夢丸(さんしょうてい ゆめまる);落語芸術協会所属。本名
前田 就
(まえだ しゅう) 昭和58年(1983)5月19日生まれ。 出身地新潟県新発田市。平成14年 1月 三笑亭夢丸に入門、前座名「春夢」。 平成18年10月 二ツ目昇進、夢吉と改名。
平成27年 5月 真打昇進、「二代目三笑亭夢丸」襲名。
■南高梅(なんこううめ);梅の品種のひとつ。主たる生産地が紀州和歌山県の白梅で、その果実は最高級品とされる。2006年10月27日には地域団体商標制度の認定第一弾として、南高梅は地域ブランドとして認定されるに至った。読みは正式に「なんこううめ」であるが、生産地以外の人やマスメディアでは「なんこうばい」と呼ばれる事がある。右、贈答用の南高梅の梅干し。
■婚礼(こんれい);結婚の儀式。広義には、婚約儀礼・披露宴など婚姻に関する儀礼の総称。結婚式。婚儀。
■家宝伝来(かほうでんらい);家の宝。家に伝わる宝物。その家宝が現在まで引き継がれている物。
■弘法大師様直筆(こうぼうだいしさまじきひつ);空海(クウカイ)の諡号。空海は、平安初期の僧。わが国真言宗の開祖。讃岐の人。灌頂号は遍照金剛。初め大学で学び、のち仏門に入り四国で修行、804年(延暦23)入唐して恵果(ケイカ)に学び、806年(大同1)帰朝。京都の東寺・高野山金剛峯寺の経営に努めたほか、宮中真言院や後七日御修法の設営によって真言密教を国家仏教として定着させた。また、身分を問わない学校として綜芸種智院(シユゲイシユチイン)を設立。詩文に長じ、また三筆(平安初期の嵯峨天皇・空海・橘逸勢(タチバナノハヤナリ))の一。著「三教指帰」「性霊集」「文鏡秘府論」「十住心論」「篆隷万象名義」など。
弘法大師「空海」の書は4種しか現存してません。
■掛け軸(かけじく);掛物。書画を床の間や壁などにかけるように表装し、飾りまたは鑑賞用にするもの。書のを掛字、画のを掛絵、また、書画ともに掛字という。掛軸。掛幅
■にんげんだもの;相田 みつを(あいだ みつを、本名:相田 光男、雅号:貪不安(ドンフアン)、1924年5月20日 - 1991年12月17日)の著作物の書名。日本の詩人・書家。平易な詩を独特の書体で書いた作品で知られる。書の詩人、いのちの詩人とも称される。
以下4枚の書は相田みつを書、文化出版局「にんげんだもの」より。
■他人の不幸は蜜の味;嫌いな人や自分と関係無い他人の不幸は、自分にとってはむしろ喜びになるということ。同名のドラマが94年にあるがそれが由来なのだろうか?もっと最近の言葉だといわゆる「メシウマ」。春秋左氏伝に「幸災楽禍」という言葉もある。広辞苑にも載っていない最近の言葉。
2019年9月記 前の落語の舞台へ 落語のホームページへ戻る 次の落語の舞台へ |