落語「地獄巡り」の舞台を行く 四代目三遊亭円遊の噺、「地獄巡り」(じごくめぐり)より
■四代目 三遊亭 圓遊(さんゆうてい えんゆう);(明治35年(1902)2月12日 - 昭和59年(1984)1月9日)、東京都中央区京橋越前堀出身。生前は落語芸術協会所属。本名は加藤 勇(かとう いさむ)。出囃子は『さつまさ』。
■地獄巡り;上方で演じられる落語「地獄八景亡者の戯れ」は1時間以上かかる大作ですが、これを東京風に直した物がこの噺です。持って来たのが初代三遊亭円遊で、代々円遊門下のお家芸です。
■乃木希典の自刀;(のぎ まれすけ、嘉永2年11月11日(1849年12月25日) - 1912年(大正元年)9月13日)は、長府藩士、軍人、教育者。日露戦争における旅順攻囲戦の指揮や、明治天皇の後を慕って殉死したことで国際的にも著名である。階級は陸軍大将。栄典は贈正二位勲一等功一級伯爵。第10代学習院長に任じられ、迪宮裕仁親王(昭和天皇)の教育係も務めた。「乃木大将」や「乃木将軍」と呼ばれることも多く、「乃木神社」や「乃木坂」に名前を残している。
庭から左上に見上げる黒い建物が自宅で、明治天皇を追ってここで夫婦が自刀した。
■冥土(めいど);死者の霊魂が迷い行く道。また、行きついた暗黒の世界。冥界(ミヨウカイ)。黄泉路(ヨミジ)。黄泉。
■極楽(ごくらく);阿弥陀仏の居所である浄土。西方十万億土を経た所にあり、全く苦患(クゲン)のない安楽な世界で、阿弥陀仏が常に説法している。念仏行者は死後ここに生れるという。極楽浄土・安養浄土・西方浄土・安楽世界・浄土など、多くの異称がある。日本霊異記下「庶(ネガ)はくは、地を掃(ハラ)ひて共に西方の極楽に生れ」。
極楽に関した言葉もあります。
■地獄(じごく);(梵語 naraka 奈落、niraya 泥梨の訳)
六道の一。現世に悪業(アクゴウ)をなした者がその報いとして死後に苦果を受ける所。贍部洲(センブシユウ)の地下にあり、閻魔(エンマ)が主宰し、鬼類が罪人を呵責(カシヤク)するという。八大地獄・八寒地獄など、多くの種類がある。 反対語、極楽。
地獄に関したことわざにも色々あります。
■寿命100歳まで;当時昭和47年当時、日本人の平均寿命は、男性70.50歳、女性75.94歳、であったので、ジョークとして、寿命は100歳まで請け負うよと言ったのですが、聞いている方もジョークだと分かっていたので笑っています。しかし令和の時代に入ってくると100歳越えの老人が楽に4万人(平成21年)を越えています。で、ジョークではないのです。そして2017年9月発表で6万7824人。
100歳まで生きられる『条件』は?
■安達ヶ原(あだちがはら);福島県安達郡の安達太良(アダタラ)山東麓の原野。鬼がこもったと伝えた。(歌枕)拾遺和歌集雑「陸奥の安達の原の黒づかに鬼こもれりと聞くはまことか」。
■懺悔(ざんげ);梵語kama
「懺」はその音写、「悔」はその意訳。ザンギサンゲ(慚愧懺悔)と熟して用いることが多かったために、ザンギの影響で濁音化して江戸時代にザンゲとなったかという。
過去に犯した罪を神仏や人々の前で告白して許しを請うこと。日葡辞書「ザイシャウ(罪障)ヲサンゲスル」。
■徒刑(とけい);旧刑法で重罪に科した刑。男は島に送って女は内地で、強制労働につかせた。有期と無期がある。懲役(チヨウエキ)に同じ。
■人呑鬼(じんどんき);人を食べてしまう鬼
■鬼(おに);想像上の怪物。仏教の影響で、餓鬼、地獄の青鬼・赤鬼があり、美男・美女に化け、音楽・双六・詩歌などにすぐれたものとして人間世界に現れる。後に陰陽道の影響で、人身に、牛の角や虎の牙を持ち、裸で虎の皮のふんどしをしめた形をとる。怪力で性質は荒い。
■三途の川(さんずのかわ);人が死んで7日目に渡るという、冥土への途中にある川。川中に三つの瀬があって、緩急を異にし、生前の業(ゴウ)の如何によって渡る所を異にする。川のほとりに奪衣婆と懸衣翁との2鬼がいて、渡銭を持たない亡者の衣を奪うという。偽経「十王経」に説く。みつせがわ。渡り川。葬頭川(ソウズガワ)。
■池内淳子(いけうち じゅんこ);(1933年(昭和8年)11月4日 - 2010年(平成22年)9月26日)、女優。
■三木助、可楽、円遊(みきすけ からく えんゆう);冥土にも知る人=どこにでも知人はいるということのたとえ。
■閻魔大王(えんまだいおう);インドから中国に伝わると、冥界の王であるとされ、閻羅王として地獄の主とされるようになった。 やがて、晩唐代に撰述された偽経である『閻羅王授記四衆逆修生七往生浄土経』(略して『預修十王生七経』)により十王信仰と結び付けられ、地獄の裁判官の一人であり、その中心的存在として、泰山王とともに、「人が死ぬと裁く」という役割を担い、信仰の対象となった。現在よく知られる唐の官人風の衣(道服)を纏った姿は、ここで成立した。 また、中国的な発想では、冥界の主宰者である閻魔王や、十王であっても、常住の存在とは考えられていない。それらの尊格も、生者が選ばれて任命され、任期が過ぎれば、新たな閻魔と交替するのが当然と考えられていた。 よって、唐代や明代に流布した説話にも、冥界に召喚されて、閻魔となった人間の話が見られる。清廉潔白で国家を支えた優秀な官吏が、死後閻魔になったという説話も出来、北宋の政治家・包拯は閻魔大王になったと信じられていた。
落語の中でも、四人を除く全員を極楽に送るということは、優しすぎると言うが、「選挙が近いから」と言う台詞があります。
■見る目嗅ぐ鼻(みるめ かぐはな);閻魔の庁にあるという、男女の人頭を幢(ハタホコ)の上にのせたもの。よく亡者の善悪を判別するという。
■喉仏(のどぼとけ);喉の中間にある甲状軟骨の突起した所。のどぼね。喉頭隆起。西洋では「アダムのりんご」という。
■癪(しゃく);種々の病気によって胸部・腹部に起る激痛の通俗的総称。さしこみ。
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