落語「除夜の雪」の舞台を行く 桂米朝の噺、「除夜の雪」(じょやのゆき)より
■提灯に釣り鐘(ちょうちんにつりがね);提灯と釣鐘は、どちらも同じような形でつり下げて使うものだが重さや大きさなどがまったく異なることから、外見は似ていてもまったくつり合わず、比較にならないこと。
■除夜の鐘(じょやのかね);日本仏教にて年末年始に行われる年中行事の一つ。12月31日の除夜(大晦日の夜)の深夜0時を挟む時間帯に、寺院の梵鐘を撞(つ)くこと。除夜の鐘は多くの寺で108回撞かれる。
「除夜」とは、「除日(じょじつ)の夜(大晦日の夜)」を指します。
「除」という言葉は、古いものを捨てて、新しいものやことを出迎えするという意味があります。
その年の最後、そして新しい年を迎える日となる大晦日は「除」の日となるので、「除日」
とされています。
この事から、「除夜」とは大晦日の夜の事を言います。
上野寛永寺の鐘撞き堂。1月2日では除夜の鐘の喧噪はありません。
■大阪の天王寺(てんのうじ);大阪府大阪市天王寺区南部と阿倍野区北部の地域名称。特に近隣するミナミの難波とは大阪市街の南玄関としての機能を二分する。繁華街の他にも天王寺公園や大阪市天王寺動物園、四天王寺といった観光地としての表情も併せ持っており、老若男女を問わず賑わいを見せている他、周辺には学校も多く文教地区としての側面もある。
左、天王寺、境内。 右、鐘撞き堂。
■金龍山浅草寺(せんそうじ);東京都台東区浅草二丁目3番1号にある東京都内最古の寺である。山号は金龍山。本尊は聖観世音菩薩。元は天台宗に属していたが、昭和25年(1950)に独立し、聖観音宗の本山となった。観音菩薩を本尊とすることから「浅草観音」あるいは「浅草の観音様」と通称され、広く親しまれている。東京都内では、唯一の坂東三十三箇所観音霊場の札所(13番)である。江戸三十三箇所観音霊場の札所(1番)でもある。全国有数の観光地であるため、正月の初詣では毎年多数の参拝客が訪れ、参拝客数は常に全国トップ10に収まっている。
東都金龍山浅草寺図 (魚屋北渓画、文政3年(1820))
■成田山新勝寺(しんしょうじ);千葉県成田市成田にある真言宗智山派の仏教寺院であり、同派の大本山の一つである。山号は成田山。山号を付して「成田山新勝寺」、あるいは山号のみで「成田山」と呼ばれることが多い。本尊は不動明王で、当寺は不動明王信仰の一大中心地である。そのため、成田不動、お不動さまなどといった通称でも広く親しまれてきた。開山は平安時代中期の天慶3年(940)と伝えられる。寺紋は葉牡丹。
江戸時代を通じて12回の出開帳が行われた記録がある。歌舞伎役者の初代市川團十郎が成田不動に帰依して「成田屋」の屋号を名乗り、不動明王が登場する芝居を打ったことなどもあいまって、成田不動は庶民の信仰を集め、成田参詣が盛んとなる。
成田山案内所で配布している紹介パンフレットより
■庫裏(くり);寺の台所。庫院。転じて、住職や家族の居間。
■囲炉裏(いろり);地方の民家などで、床(ユカ)を四角に切り抜いてつくった炉。地炉。
■藁すべ(わらすべ);わらしべ。稲わらの芯。また、わらのくず。わらみご。
■おっすぁん;『大阪ことば事典』には、坊さん。和尚さんの約訛とあります。
■堅炭(かたずみ);堅くて、火力の強い炭。ナラ・カシ・クリなどを原料とする。荒炭。
■丸干(まるぼし);魚などを開いたりせず、そのまま天日干しや機械乾燥などで乾燥させた乾物を指す。
イワシやサンマおよびそれらの稚魚、イカ、小アジ、カレイ、カマス、タラなど、比較的小型の魚が適し、乾燥によって保存性や食味を増減する為に多く行われている加工法でもある。生干し(一夜干しなど十分に干さない状態の魚介類など)と比べて、魚の脂の味が強く感じられるため、好みが別れやすい。
■玉露(ぎょくろ);製造法上の分類としては煎茶の一種であるが、栽培方法に特徴がある。茶でテアニンは根で生成され、幹を経由して葉に蓄えられる。テアニンに日光があたるとカテキンに変化する。すなわち、玉露の原料となる茶葉は、収穫の前(最低二週間程度)日光を遮る被覆を施される。これにより、煎茶の旨味の原因とされるテアニンなどのアミノ酸が増加し、逆に渋みの原因とされるカテキン類(いわゆるタンニン)が減少する。また、被覆により特徴的な香り(覆い香)が生ずる。このような栽培方法は碾茶と同様であるが、すでに安土桃山時代に行われていたとの記録がある。
■お布施を包む紙(おふせをつつむかみ);僧に施し与える金銭または品物で、裸では渡せないので包み紙に包む。その紙。
■鉦や木魚(かねや もくぎょ);鉦は下に伏せて置き、撞木 (しゅもく) で打ち鳴らす金属性の仏具。たたきがね。ふせがね。鐘(かね)は、釣鐘(つりがね)、撞鐘(つきがね)の総称。時刻を知らせるために打ち鳴らす。梵鐘 (ぼんしょう) ・半鐘や教会などの釣鐘にもいう。「鐘をつく」「除夜の鐘を聞く」。
左、鉦(伏せ鉦)と撞木。 右、座布団に乗った木魚とバチ。自性院本堂にて
■御寮人さん(ごりょんさん);商家など中流家庭の若奥様や娘の称。
■丁稚(でっち);商家の雑用を主にこなす新人男社員。上方では丁稚と呼び、江戸では小僧と呼んだ。
■姑さん(しゅうとめさん。しゅうとさん);夫の母。しゅうとめ。「姑舅(こきゅう)/舅姑(きゅうこ)」。
■女衆(おなごし);女たち。女中。下女。
■原作:永滝五郎(ながたき ごろう);1920(大正9)年2月8日~1990(平成2)年。
放送・構成作家。演芸(新作落語)作家。小説家。元日本放送作家協会幹事。
長男は行政書士・税理士・不動産鑑定士の永滝憲治氏。次男はフランス音楽・映画評論家、翻訳家の永瀧達治氏。外人タレントの先駆けフランソワーズ・モレシャンは次男の妻。
本名 永瀧尭憲(ながたきぎょうけん)。
大阪市出身。
山梨県祖谷学院(現身延山大学)卒。
生家は日蓮宗寺院。
1946(昭和21)年 大蔵省財務局、国税庁人事課、税務大学校教育官などを歴任。
1950(昭和25)年 「簿記講座」(NHK)台本を数人で執筆したことをきっかけに文筆・作家活動に入る。
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