落語「町内の若い衆」の舞台を行く 柳家権太楼の噺、「町内の若い衆」(ちょうないのわかいしゅう。ちょうないのわかいし)
■原典とみられるものは元禄3年(1690)の鹿野武左衛門と弟子の合作で、笑話本『枝珊瑚珠』(えださんごじゅ)に収載された「人の情」。大まかなストーリーは原話以来ほぼ不変とされ、これは落語の数多い演目の中できわめて珍しい噺です。
もっとオチが凄いので落語「氏子中」と言うのがあります。演者によっては題名が「氏子中」で、内容は「町内の若い衆」と言う事も有ります。
■木口(きぐち);材木。建物に使う木材。
■茶の間の増築;噺家によっては「茶室」とも言っています。
■雲助(くもすけ);住所不定で浮き雲のように定めないからとも、また、立場にいて往来の人に駕籠をすすめることが、蜘蛛が巣を張って虫を捕えるのに似ているからともいう。
江戸中期以後に、宿駅・渡し場・街道で駕籠かき・荷運びなどに従った住所不定の人足。「雲助駕籠」。
■トド(とど。胡獱);アシカ科の哺乳類。アシカに似るが大形で、雄は体長約3m、雌は2.7mに達する。体は淡茶褐色。北太平洋に生息、日本では北海道・青森の海岸に見られる。
■西日が差さない(にしびがささない);日本家屋では普通西日を避けた間取りにする。暑い西日が入ると部屋が暑くなり、夏には部屋に入れなくなる。エアコンも無いのに西日が入らないなんて、クレームは付けることは無い。
■六畳(6じょう);六畳一間で家財も無い生活と言っていますから、長屋住まいなのでしょう。9尺2間半の間取りで、間口9尺の入口戸を開けると奥行き3尺の土間があり、そこに流しやへっつい(かまど)が有り、一段上がって9尺X2間で6畳間があります。長屋ですから左右は壁で、お隣さんが住んでいます。奥は外に抜けられ濡れ縁になっていて洗濯物を干すことが出来ます。部屋の中に押し入れは無く、角に枕屏風を立て廻し夜具を入れておきます。せめて葛籠(つずら)などがあり、そこに着る物や小物を入れておくのですが・・・。余裕があれば茶箪笥や長火鉢があり六畳が四畳半にしか使えません。
■湯(ゆ);銭湯。関西ではお風呂屋と言いますが、江戸では湯または湯屋と言います。
「湯屋」 江戸東京たてもの園にて
2015年4月記 前の落語の舞台へ 落語のホームページへ戻る 次の落語の舞台へ |