落語「首屋」の舞台を行く 川柳川柳の噺、「首屋」(くびや)より
■川柳川柳(かわやなぎ せんりゅう); 1931年生まれ。埼玉県秩父市横瀬町出身。1955年、六代目三遊亭圓生に入門、前座名「さん生」で初高座をつとめる。58年、二ツ目昇進。74年に真打昇進。当時、落語界を二分した圓生一門の落語協会脱退騒動に伴い、78年、五代目柳家小さん門下へ移籍、「川柳川柳」に改名。自他ともに認める「落語界のシルバースター」。また落語界の酒豪番付の“悪い方の”横綱であり、武勇伝は数知れない。代表作とされる「ガーコン」は漫談と軍歌でつづる太平洋戦史。ギターを弾き語りながら小話を展開する「ラ・マラゲーニャ」など、歌を絡めた新作落語を得意とする。本名は加藤利男。出囃子は『三味線ブギ』。
■首屋(くびや);『看板のピン』と同様の噺です。
■番町(ばんちょう);千代田区の皇居の西側御門・半蔵門から四谷駅までの広範囲に広がっていた旗本屋敷群。一番町から六番町まで有ります。静かな地で現在は大使館や私立女子校や大学が幾つもあります。地形的にも急斜面があり、起伏にも富んでいます。大名屋敷のほかは、旗本、学芸者の屋敷だった。
「番町の番町知らず」というほど、屋敷には表札が掛かって居ず、入り組んでいて江戸で最も家探しの難しい所だった。その為、「江戸切り絵図」(江戸地図)が作られたと言います。番町御厩谷に盲目の塙保己一(はなわ ほきいち)の和学講談所があり、川柳に「番町で目あき盲に道を聞き」で、有名です。
■本所割下水(ほんじょわりげすい);墨田区の東西に走る北斎通りには、過去に下水道が走っていた。現在は暗渠になって、その面影はありません。
■新刀(しんとう);新しく鍛えて作った刀剣。あらみ。
■試し切り(ためしぎり);刀剣を用いて巻藁、畳表、青竹等の物体を切り抜くこと。試斬(しざん)、据物斬り(すえものぎり)とも呼ばれる。江戸時代には様斬(ためしぎり)とも書かれた。
■10両盗むと首が飛ぶ;江戸時代10両盗めば首が飛ぶと言われた時代です。
でも、10両盗んでも、盗みの種類により罪は異なってました。
死刑 (同じ死刑でも6種類あった。重いものから軽いものへ、とは言っても死刑です)
軽い犯罪でも3回再犯すると(スリでも)死刑。10両盗んでも死刑。不義密通は死刑だが示談で七両二分。
昼の空き巣は10両以上でも死罪にはならなかった。理由は、盗まれるのが悪いというのが一端にありました。大体、敲き刑で牢屋敷の門前で鞭打ち。50とか100敲きをされ釈放されました。 例外は、昼の空き巣でも、帰宅した家人を脅迫したら死罪になります。 しかし、夜の盗みは重罪で死罪です。
■白鞘の刀(しろざやのかたな);白木(無加工の木材)で作られた鞘のこと。まさそれに収められた刀のこと。
■後れ毛(おくれげ);《後れて生えた毛の意》女性が髪を結い上げたとき、襟元に残って垂れた短い毛。
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