落語「法華坊主」の舞台を行く 桂米朝の噺、「法華坊主」(ほっけぼうず)より
■鳴き声や音の出るものは、こちらの感情でいかようにも取れることが有ります。江戸落語に「紀州」と言う噺が有って、これも鍛冶屋さんの音の受取方の勘違いが面白さなのです。
「めったに高座には掛けない噺なのです。何故って、昔この噺をしている時に、尼さん二人が噺の途中で、席を立って出て行ってしまったのです。ですからお蔵入りになっていた噺なので、それから今回噺をさらい直して高座に掛けています」。米朝
■おっすぁん;住職(じゅうしょく)は、本来「住持職」と呼ばれている仏教の職名(宗教上の地位)を省略した呼称で、一寺院を管掌する僧侶のこと。 本来は「寺主」や「維那」(いな)などと呼んでいたが、宋代に「住持 (じゅうじ)」という呼称が禅宗で使用され、それが後に一般的となり、職も付与して「住持職」と呼ぶようになった。 「住職」には、各宗派毎に資格規定が設けられている。 僧侶であるならば誰でも住職になれるとは限らず、女性住職を認めない宗派や、逆に住職資格がない僧しか居住していない寺院があり、僧侶はいるのに無住(住職が無い)とされる場合もある。
■法華(ほっけ);法華経=正法華経・妙法蓮華経・添品妙法蓮華経をいう。一般に、妙法蓮華経の略称。
■南無妙法蓮華経(なむ‐みょうほうれんげきょう);日蓮宗三大秘法の一。妙法蓮華経に帰依する意。これを唱えれば、真理に帰入して成仏するという。題目。本門の題目。七字の題目。御題目。
■鍬(くわ);鍬とは、木製の柄と90度以内の角度を付けた刃の部分で構成されている道具。主な用途は土を掘り起こすためであり、各地域に合わせた特徴がみられます。
■檀家(だんか);一定の寺院に属し、これに布施をする俗家。だんけ。檀方。
■七日七日(なぬか なぬか);7日ごとに死者の追善を営むべき日。初七日から四十九日に至る各7日目の法要。
■一周忌(いっしゅうき);一周忌法要とは、故人が亡くなってから1年目の命日に行われる法要。年忌法要のなかで最も重要とされています。
一周忌法要には、遺族や親族、友人、知人など故人と親しかった人が参列します。僧侶の読経の後、焼香・食事(お斎:おとき)をするのが一般的です。
命日が平日に当たっていて仕事や学校で都合が悪い場合には、日にちをずらすこともできます。ただし、その際は、命日の後ではなく前倒しをするのがならわしです。
■祥月命日(しょうつき めいにち);一周忌以後における故人の死去の当月当日。正忌。正命日。
■ナムアミダブ(南無阿弥陀仏);弥陀仏に帰命するの意。これを唱えるのを念仏といい、それによって極楽に往生できるという。六字の名号。
■辻占(つじうら);四辻に立ち、初めに通った人の言葉を聞いて物事の吉凶を判ずる占い。
■願我身浄(がんが しんじょ);下記の香偈の出だしの一言。今やっていることと、経が真反対なのが可笑しい。
■車井戸(くるまいど);掘り井戸から水を汲(く)みあげるのに車(滑車)を使うことによって名づけられた井戸で、釣瓶(つるべ)井戸の一種。車釣瓶ともいい、井戸の上に溝のある滑車を吊(つ)るし、その溝に釣瓶縄をかけ、縄の両端に釣瓶をつけて縄をたぐって水を汲みあげる井戸である。釣瓶縄には水に強い棕櫚(しゅろ)縄が使われ、よりじょうぶにするために三つ撚(よ)り(通常の縄は二つの繊維束を撚り合わせたものだが、これは三つの束を撚り合わせる)にしたりする。滑車によって力の方向が変えられるので、少ない労力で水が汲めるという利点がある。そのため水位が深い井戸にはこの方式が多い。深い井戸から水を汲むために考え出された方式ともいえる。
■顕態(けんたい);平気・当然・大っぴら。遠慮しないで。
■日蓮宗(にちれん しゅう);日本仏教十三宗の一。日蓮を祖とする。法華経を所依とし、教義は教・機・時・国・序の五綱教判と本尊・題目・戒壇の三大秘法とを立て、即身成仏・立正安国を期す。日蓮宗・法華宗(本門流・陣門流・真門流)・日蓮正宗・顕本法華宗・不受不施派などに分れる。
■香偈(こうげ);香を焚く際に唱える偈(げ:詩)。
願我身浄如香炉(がんがしんじょにょこうろ) 意訳・願わくは我が身浄きこと香炉の如く
口語訳、
■理無い仲(わりない なか);道理がない仲。分別がない仲。わきまえがない仲。特に男女関係にいう。
■東天紅(とうてんこう);東天紅鶏 - 主に高知県で飼育されており、高く澄んだ声で鳴く長鳴き鶏としても有名。声良・唐丸とともに日本三大長鳴鶏の一つとして知られ、昭和11年9月日本の天然記念物に指定された。またはその鳴き声。
■お祖師様(おそっさま);一宗一派を開いた人。開祖。日蓮・達磨など。
■笊(いかき);ざる。
2022年1月記 前の落語の舞台へ 落語のホームページへ戻る 次の落語の舞台へ |