落語「近眼の煮売屋」の舞台を行く 桂米朝の噺、「近眼の煮売屋」(ちかめの にうりや)より
■煮売り屋(にうりや);今の惣菜屋。 以下、米朝のマクラより。昔。こいつはその、大体ずっと昔さかのぼると二(ふた)種類あったよぉで、いろんなお惣菜、おかず類を煮炊きして売ってたよぉな煮売屋、これはまぁ割と近頃まであったんですが。この落語に「煮売屋」といぅ「東の旅」の噺がございます、ここはこの、ちょっとこぉ一杯呑むんですなぁ。でこの、例の「紙治(かみじ)」てなお芝居にも、「今、向こぉの煮売屋で・・・」なんて台詞がある。あぁいぅところではやっぱりこぉ一杯呑んでた。そぉいぅ、ちょっとした居酒屋に毛の生えたよぉなところも煮売屋。おかずなんか売ってたところも煮売屋でございます。もっとも、もぉ近頃ではそんなものあれしませんが、ずっと荷ぃ担いだり車引ぃたりして売ってた煮売屋もございます。
■ほかほか弁当(ほかほかべんとう);株式会社ほっかほっか亭総本部、大阪本社 大阪市北区鶴野町3番10号、設立 2021年5月、会社分割前 2021年3月期 株式会社ハークスレイ実績 163億円。チェーン展開する「ほっかほっか亭」など、持ち帰り弁当を販売する店の俗称。ほっかほか弁、ほっか弁、ほか弁とも。
■灘の酒蔵(なだの さかぐら);灘五郷発展の諸要因、
灘酒造業が江戸向けの銘醸地として発展したのは、亨保期以降、つまり18世紀以降でした。その要因となったのは、高度な酒造技術や西宮の一角から湧き出る良質な水=宮水が挙げられますが、次の要因も欠かすことはできません。ひとつは、六甲山系の急流を利用した水車の存在です。これまでの足踏み精米に比べ、水車によって精白度を高めたとともに、精米量の飛躍的な増大により量産化の道を大きく開いたのでした。良質な原料米が集まる兵庫津や大阪に近いという恵まれた立地条件も功を奏しました。
さらに、灘地域は船積みの便に恵まれていた上に、西宮に樽廻船問屋ができたため、その発着点になるなど、輸送体制が着実に強化されたことも発展の大きな要因です。江戸へ輸送する際には海路を使った樽廻船で運ぶことができ、陸地からの輸送よりも早く大量に出荷することができました。また、その際に樽の杉香が清酒に移り、熟成されることにより酒質も向上。「灘の酒」は江戸での人気を得て、江戸後期には江戸の酒の需要の8割を供給したと言われています。
大関株式会社
代表銘柄:大関。 日本盛株式会社
代表銘柄:日本盛。 白鷹株式会社
代表銘柄:白鷹。
■燗酒と冷や酒(かんざけと ひやざけ);日本酒において「冷や」とは、「常温の状態のお酒」を意味します。 冷蔵庫のない時代、日本酒はお燗で飲むか、温めず常温のまま飲むかの二択でした。 そのため、お燗よりも温度が低い常温のお酒を「冷や」と呼んでいたのです。 一方の「冷酒」は、冷蔵庫や氷水の中に入れて冷やした、「冷たい状態のお酒」のことです。
■上燗(じょうかん);酒の燗の温度の種類の一つ。また、お燗をする人をお燗番と言います。
●冷やの表現と温度 ■鯖の生鮨(さばの きずし);鯖を酢締めしたもの。鯖の酢締めを指すことが多いが、鰆、鯵、鯛などを用いたものもある。鯖の場合は概ね西日本では「きずし」、東日本では「しめさば」と呼ぶのが一般的である。
寿司という名前だが飯無しの切り身で食べるのが一般的。切り身はさらに切り込みを入れる場合もあり、ワサビ、生姜などを添える場合もある。飯に乗せて寿司としたものはきずしずし、鯖寿司、バッテラなどになる。
一般的な作り方は頭を落とし内臓を取って三枚おろしにした魚を塩に一晩程度浸け、そのあと塩を洗い落として酢に浸ける。浸ける時間などや塩、酢の量は各種流儀があるようである。
元々は保存食であり、日本海でとれた鯖を京都に運ぶために塩漬けにしたのが始まりとされる。
鯖の生鮨。しめさば。
■海鼠腸(このわた):ナマコの腸管で作った塩辛。酒の肴さかな。三河・志摩産のものが有名。
■紀州のカマボコ(きしゅうの かまぼこ);田辺は城下町で弊店のある福路町は正保二年(1645年)に魚の棚に指定され魚屋が営業していた町です。
当時すでに塩魚店(干物店)は存在しており後年干物以外の魚の加工品をと考案されたのが「なんば焼」。たくさん獲れる魚を無駄にしないよう魚の身をくずしすりつぶし型に入れて焼き抜く蒲鉾としたのです。
時代は変われど江戸時代の人も今の私たちも同じ蒲鉾を食べているんだなと「時」が確かにつながっているという気持ちがします。
■鰆(さわら)の照焼き;サワラは、鰆はスズキ目・サバ科に分類され、体長40cmから1mに成長する大型の魚で、成長とともに名前が変わる出世魚として知られています。
関東では50cmくらいまでの大きさを「サゴシ」や「サコチ」と呼び、50cmを超えると「鰆」と呼ばれます。
一方の関西では50cm前後は「サゴチ」や「ヤナギ/ナギ」、70cmを超えたサイズを「鰆」と呼んでおり、関東と関西では呼び方が異なります。下図。
■九谷(くたに);九谷焼(くたにやき)は、石川県南部の金沢市、小松市、加賀市、能美市で生産される色絵の磁器。五彩手(通称「九谷五彩」)という色鮮やかな上絵付けが特徴。
■取り付けの酒屋(とりつけの さかや);江戸時代は町内の小売店ではツケで買い物が出来た。その為、安いからと言って隣町の店に行ってもツケは利かず、現金で買ったが町内の店からは良くは見られなかった。噺のように、金がなくても顔で品物を持ってこさせることが出来た。ただし、暮れの支払日は大変で、落語の題材にもなるように逃げ回ることになります。
■俥屋(くるまや);人力車の俥屋。 車引き。特に、人力車を引く人。車夫(しゃふ)。
■近眼(ちかめ);近視=平行光線が網膜の前方で像を結ぶため、遠い所がよく見えない状態。また、その目。水晶体の屈折力が強すぎるか、網膜までの距離が長すぎるために起こる。凹レンズで矯正。ちかめ。近眼。近視眼。
■曲げもん(まげもん); 檜(ひのき)や杉などの薄い板を、円形・楕円(だえん)形に曲げて、接(つ)ぎ目を桜の皮などでとじ、底板をつけた容器。 桶、杓、弁当箱などがある。 ◇「曲げわっぱ」「綰(わ)げ物」ともいう。
2022年3月記 前の落語の舞台へ 落語のホームページへ戻る 次の落語の舞台へ |