落語「恨み酒」の舞台を行く
   

 

 原作:織田正吉氏

 桂南光の噺、「恨み酒」(うらみざけ)より


 

 まぁ、いろんな酔い方があるんでございますけども、このお噺は大阪のミナミ、阪町あたりの小料理屋さんの表に、昼間から一杯機嫌の男が立ちました。

 「ちょっとごめん、大将、一杯呑ましてもらえますか」、「申し訳ございません。手前ども、まだ支度中でございまして暖簾も掛けておりません」、「この店、初めてと違いますねん。もぉだいぶん前やけど、いっぺん来たことがあってね、まぁそのときの印象は、『お酒も肴も美味しかったな』といぅそぉいぅ印象ですけど。ダメでございますか」、「それでございましたら、バタバタしとりますけど、まぁ何もできませんが、お酒ぐらいなら出せますんで、よろしかったらどぉぞ」、「あッそぉですか、えらいすいませんですな。あの、お酒だけお願いできますか、お酒、よろしぃですか?」。

 「今日は辰とこの家で棟上があって、『皆寄ってくれ』いぅて、でこぉ一杯呑んでた。ザ~ッとこぉ雨が降ってきて、『えらい悪いけど、今日はもぉこれでお開きや』こない言われて。あッ、お酒きました? お姐さん、えらい無理いぅてすいませんね。え? 小鉢と箸? いえ、もぉ自分でやりますから、どぉぞそこへ銚子置いといてもろたら。
 あぁ~ッ、大将、美味しぃですなぁ、『呑みたい呑みたい』て喉がゴロゴロいぅてた、そこへこぉしてお酒が呑める、こんなありがたいことございません。お姐さん、あとは燗お願いしますよ燗。え? 何ですか? 『突き出しどぉぞ』いえぇ、お酒さえあったらわたし、何も要りませんねん。え? 『手作りのイカの塩辛?』よろしぃなぁ、こっちいただきましょ。お酒が進みますねぇ、あと、燗頼んますよホンマに。 大将、別の肴用意してもらいましょか。え? なに? 『何も要らんとおっしゃった』誰がそんなこと言ぅた、わたしゃ正直言ぅておかず食いやで。世間ではよぉ、『小指ねぶって一升』とか、『塩つまんで・・・』そぉいぅもんやない、やっぱり何ぞ食べんといけませんよ。『何ぞでけへんのか?』っちゅうねん、ホンマにもぉ、気の利かん店やで。十年前に来たんや、汚い店やったで、『豆腐ならすぐにできます?』 結構なこっちゃ、豆腐えぇなぁ。
 何が違うちゅたかてな、十年前はな、店のもんの態度が悪かったど、ホンマ。いや、たいしたことないけどな、今良ぉなってる。何が良ぉなってるて? 花飾ってるわ、絵ぇや掛けたぁる。十年前来たんやこの店。ホンマにあのときはむかついたで、アホらしもない。いや、気にすることない、気にすることない。大将、このイカの塩辛や豆腐だけで呑んでられへん。ボチボチ何ぞこしらえてくれたらどないやお前、客に合わせ、客にホンマに。え? 『ウニどぉです?』結構なこっちゃ、ウニ、もらおか。
 何が変わってるてな、十年前来たときあんたとこの鉢、みな欠けてたで。ひび入ってるやつもあってな、薄汚かった。それが、店だけやなしに器も立派になって、こんな器が大きなった分、ウニが小ぃそなっとるやないか。ウニはやっぱりもぉちょっとな、ぎょ~さん多い目に入れてもらいたい。十年前や、この店来たん。しょ~もない店やった。ばかにしやがって、何やっちゅうねん
」。

 「あの~お客さん、最前からなんや、『十年前、十年前、むかついたことがあった』とか、十年前に何ぞあったんでございましょ~か?」、「別にたいしたこっちゃないけどもな、いや、十年前にな、わいこの店来たんや。今日とおんなしよぉに、こないして呑み食いして、さぁ帰ろと思たときにやな、懐へ手ぇ入れたら財布が無いねん。『忘れてきたと言ぅたら』、こら聞こえはえぇけど、せやないねん。博打に行て、みな取られてしもてすっからかん。はじめからカラッケツで、この店入って来て、わいは、『呑み食いしてて、まことにすまん』と、こぉ言ぅたんや。ほな、ここの若い衆が、『そらお前、分かってて無銭飲食やないかい、いつまでもそこへ座っとんのか、表へ出ぇ』胸ぐら掴んで表へ連れ出されて、横手のあこのゴミ箱のとこへド~ンと倒されて、ゴミだらけになったんや。そら確かに、わしがいかんけどな、あのやり方はちょっとえげつなかったんと違うか? あのときの若いのん、ちょっとここへ呼んでもらおか」、「十年前にそんなことがあったんでございますか。こらまことに申し訳ございません、『もぉどのよぉなお客さまでも、お客さまに違いないので失礼のないよぉに』と、常々申しておるんでございますけど、まことに申し訳ございません。あのときのあの若い衆、三年前にもぉ店辞めてしまいまして」、「なに言ぅてんねんな、最前から小芋むいてた兄ちゃんやないか。グツ悪なって奥へ入ってしもたやないか」、「あの者には、主のわたくしからきつく叱っておきますので、ひとつお許しいただきますよぉに」。
 「そぉこぉするうちにな、ここの女衆(おなごし)が出て来て、『そない呑みたかったら何ぼでも呑みなされ』こんな大きな桶に水いっぱい汲んできて、わいの頭の上からザ~ッ。あれもやり過ぎやったんと違うか? あの女衆、ちょっと呼んでもらおか」、「申し訳ございません。そんなこといたしましたか、面目ないこってございます。あの女衆は三年前に店を辞めましてございます」、「最前からお酒運んでた姐ちゃんやないか」、「申し訳ございません、あの女衆には、主のわたくしがきつく叱っておきますので・・・」。
 「そぉこぉするうちに、ここの主人が出て来てな、『うちの店で無銭飲食とはえぇ根性しとる、叩き直したる。立たんかい』立ち上がったら、『目ぇつぶって歯ぁくいしばれ』目ぇつぶって歯ぁくいしばったら、下駄脱いでわいの頭ゴ~ンッ、またこけたがな。あれもやり過ぎやったんと違うか? どぉいぅこっちゃ」、「申し訳ございません。あの主人は三年前に店を辞めましてございまして」、「おまはんやないか」、「あの主人には、主のわたくしがきつく叱っておきますので・・・、これッ、お酒持ってきなはれッ」。

 「大将、嘘やがな今のん、冗談やがな」、「冗談ですか?」、「冗談やがな、最前からおまはんらに喜んでもらおと思て、何べんも嘘や冗談言ぅてるんやないかい、ホンマにもぉ、そんなことがあるわけがないがな」、「嘘ですかいな、冷や汗かきましたがな、ホンマにもぉどんならんなぁ、お客さん、酔ぉて何を言わはってもよろしぃけどね、嘘や冗談ばっかり言わんと、ホンマのこと言ぅとくなはれ」、「ホンマのこと、言おか? 実は今日、財布持ってないねや」。

 



ことば

織田 正吉(おだ しょうきち、1931年12月4日 - 2020年11月20日)は、日本の演芸作家、放送作家、エッセイスト。本名は構 恒一(かまえ つねいち)。 日本笑い学会名誉会員、関西演芸作家協会顧問。このほか、日本笑い学会理事、園田学園女子大学短期大学部講師を歴任。
 1953年にNHK主催の漫才台本コンクールで入選。この作品は内海突破・並木一路が演じた。神戸市役所に13年勤務した後に退職し、専業の作家としてラジオ・テレビの演芸番組の構成、漫才台本・新作落語の執筆を行うようになる。関西笑芸界の長老として、上方お笑い大賞(2006年まで)、NHK新人演芸大賞の審査員をつとめる。
 2020年11月20日、肝臓がんのため、神戸市の自宅で死去。88歳没。

大阪のミナミ(おおさかの みなみ);大阪で「ミナミ」と呼ばれるエリアは、難波(なんば)や、グリコの看板や巨大なカニの立体看板で有名なかに道楽がある道頓堀、千日前周辺の繁華街を指します。 最近ではテレビ番組などメディアでも「ミナミ」という呼び方をしますが、実際には「ミナミ」という地名はなく、地元の人が使う愛称のようなものです。
 大阪を代表するエリアとして「キタ」と「ミナミ」があります。 「キタ」とは、大阪駅などがある梅田エリアを指します。 住所でいうと大阪市北区にあたるため「キタ」エリアと呼ばれています。 では「ミナミ」は、大阪市の南区にあるから「ミナミ」なのか?というと、実はそうではありません。 「ミナミ」エリアの住所は、大阪市中央区です。 大阪市中央区は1989年に東区と南区が統合してできた区という歩みがあります。 なぜ「ミナミ」と呼ばれるようになったかというと、江戸時代には「天下の台所」と呼ばれ、今もなお大阪の経済や文化の中心地である船場から見て南側にあることから「南地(なんち)」と書き、それに「ミナミ」というルビをふったそうで、そうした歴史背景もあり、地元の人々は愛称として「ミナミ」と呼んでいます。
 「ミナミ」と呼ばれるエリアには「大阪松竹座」や「なんばグランド花月」、「TOHOシネマズなんば」などの芸能文化を楽しめる施設が有ります。

阪町(さかまち);近世初期、大坂城下の南端だった道頓堀に芝居小屋ができると、対岸の島之内南部には遊里が出来、この遊里がミナミと呼ばれた。その後、城下各所に点在していた遊里は下船場の新町遊廓に統合された。しかし、以降も島之内南端の宗右衛門町、道頓堀の九郎衛門町と櫓町、その南東の坂町、同じく南西の難波新地などに続々と遊里ができ、これらは総じて「南地五花街」と称された。 船場と道頓堀に挟まれた島之内は、北部は職人町として船場とともに城下の中枢を担ったが、色町となった南部は船場の商いどころに対して粋どころと呼ばれた。心斎橋筋は新町遊廓と道頓堀を結ぶ道路として発展し、小売店が立ち並ぶようになった。 近代以降、刑場や墓地であった千日前にも繁華街が広がり始め、難波駅や湊町駅(現:JR難波駅)が開業すると一気に拡大した。
 昭和57年2月1日の住居表示の実施にともない、阪町の一部は千日前一丁目・道頓堀一丁目の各一部となった。同58年2月1日の住居表示の実施にともない、残部の阪町は日本橋一丁目の一部となった。

小料理屋(こりょうりや); 簡単な料理と酒とを供する和風の飲食店。(コトバンク)
 小料理屋の定義は法律上で決まっているものではありません。 ただし一般的な小料理屋のイメージとしては居酒屋と割烹の中間のイメージとなります。他に、似たものに、割烹、料亭、スナックなどが有ります。

大将(たいしょう);元来は、軍隊の階級の一つで、将官に区分され、中将または国によってはフランス海軍のように上級中将の上に位置する。軍隊の最上級者の呼称で、そこから、その店のトップ(店長、オーナー、調理長)に対して愛敬の念で呼ぶ語。

暖簾も掛けておりません;準備中の意味。『のれん』の本来の役目は目隠しです。 多くはお店の入り口に設置して、中の様子を見えにくくしています。 設置する理由は様々で、お客様のプライバシーを守る意味もあれば、日差しや風が入ってくることを防ぐねらいもあります。 また、のれんが出ているかどうかで『営業中』がそうでないかをお知らせする役目もあります。
 のれんを出すことによって、「準備が整い営業をはじめました。いつでもお越しください」というメッセージが発信されているのです。

棟上(むねあげ);家の基礎工事が進み、木材(鉄骨)を使って家の枠組みを組み始め、一番最後に屋根の一番高い場所に「棟木」と呼ばれる横木を取りつける時点のことをいいます。この「棟木」を屋根の上に「上げる」ことから、棟上げと呼ばれています。 また、建て方、建前、上棟と呼ばれることもあります。
 この日を祝って、上棟式が行われます。骨組みだけ仕上がった家の中で大工さんや関係者などが集まって酒を酌み交わして祝います。最近は車で来る人が多いので、お土産として持ち帰ってもらうことが多くなりましたが、噺の中では、現場で飲み食いしています。屋根はふかれていませんので、雨が降ったら外と同じですから、ずぶ濡れになって逃げ場はありません。そこで、中止となったのでしょう。酒飲みは意地汚いので他で飲み直しとしたのです。

お姐さん(おねえさん);(お姉さん)元来は目上の女性を呼ぶ時に使う言葉。
 旅館や料理屋などで、客が女性の従業員を呼ぶ語。決して、自分より年寄りだからと言って、オバさんとか、お婆さんと言ってはいけません。決して振り返ってはくれません。

小鉢(こばち);副菜を盛る小さな器を指しますが、そこに盛られた料理そのもののことも小鉢と呼ばれます。小鉢は料理を盛るための器であると同時に、料理の美味しさを引き立てる役割も担っています。 「食器がいつも同じでどこかつまらない」と感じた時にも小鉢を効果的に使えば雰囲気を変えられるでしょう。
 小鉢は副菜を盛るだけでなく、取り皿にしたり、デザートを盛ったりと用途が広く、実用性の高い食器です。 また、複数の小鉢料理を並べると食卓が華やかになるうえ、手料理がおしゃれに見えるのも魅力のひとつ。

突き出し(つきだし); 料理屋などで、酒のさかなとして最初に出す、ちょっとした料理。お通し。先付け。その時期の旬にこだわった食材を、用意しているのでメニューには通常表示されていません。

 「お通し」とは、お客様から最初のお料理の注文を受けた後に出す、酒を飲みながら軽くつまめる小料理の事を指します。お通しは席料(テーブルチャージ)の意味を持つ場合も多いのです。 「お通し」の由来は、お客様の注文に対して、「お店が注文を承りました」ことを表すために出されるようになったと言われています。 「お客様の注文はお通ししました」の意味から「お通し」と呼ばれるようになった。
 「突き出し」は関西で主に使われるお通しを指す言葉です。ただ「突き出し」の由来は、お客様の注文とは関係なく最初に出す(=突き出す)からきているといわれています。そのため「お通し」と「突き出し」には、
   お客様の注文を受けてから出す:「お通し」。
   お客様の注文とは関係なく出す:「突き出し」 との意味の違いがあるようです。
 「先付け」とは、あらかじめコース料理の中に組み込まれている一番最初の料理。 「先付け」の由来は懐石料理からきています。懐石料理では、なますやお造りをご飯と汁物の奥側である向こうに付けた物として「向付け」といいます。 その「向付け」より先に出される料理から「先付け」と呼ぶようになったといわれています。懐石料理の名残で会席料理における最初の料理を「先付け」と呼ぶようになったのです。

イカの塩辛(いかのしおから);現代の日本で一般的に塩辛というとイカの塩辛を指すが、いかの塩辛以外でも名の知れたものでは、
 タコの塩辛 - イカの塩辛と同様に作られる。ワサビと共に漬けたものは、たこわさび(たこわさ)という。
 エビの塩辛 - ホッコクアカエビ・甘エビなどのエビを漬けたもの。
 アミの塩辛 - アキアミ、イサザアミ、ツノナシオキアミなどを丸ごと塩蔵したもの。キムチなどにも入れる。
 カツオの塩辛 - 高知県の酒盗(しゅとう)、沖縄県のワタガラスなど。
 うるか(鮎うるか) - 鮎の内臓や身を塩蔵したもの。
 このわた - ナマコの内臓。

 いかの塩辛は、肝が大きい種であるスルメイカを使うことが多い。 伝統的なイカの塩辛は、大きく分けて以下の三種類に分類できる。
  白造り - 皮を剥いだイカ肉(と地域により肝)に塩を加えて発酵させたもの。肝なしだと見た目は刺身に近い。白い。
  赤造り - 皮がついたままのイカ肉と肝(内臓:中腸腺)、塩を加えて発酵させたもの。仕上がりは赤茶色。
  黒造り - イカ肉にイカスミ、塩を加えて発酵させたもの。仕上がりは黒い。
 簡易製法では、イカ肉と内臓を別々に塩蔵しある程度熟成(3日程度)したところでイカ肉と内臓を混ぜる。肝臓の添加量は3~10%程度。
 イカの塩辛の発酵は耐塩性乳酸菌など複数の細菌による働きに加え、内臓(おもにイカゴロと呼ばれる中腸腺)に含まれる消化酵素によって自己消化が起こり、アミノ酸が生成する働きも重要な役割を果たしている。塩分は伝統的な製法の場合8~15%程度、近年の低塩製品は4~8%であるが、低塩製品では食品衛生上の問題を生じやすくなる。なお、瓶詰めの塩辛として広く流通している桃屋の製品の場合、伝統製法同様に17%の高い塩分濃度となっている。そのため、保存料を使用せずとも未開栓状態では常温保存が可能となっている。

豆腐(とうふ);煮た大豆の搾り汁(豆乳)を凝固剤(にがり、石膏など)によって固めた加工食品。しっかりした食感のものは、型に入れたり、布地に包んだりしたうえで重しを乗せて、水分を押し出し、減らす工程が加わる。伝統的製法の堅豆腐のほか、現代では代替肉やスナックバー状、麺、米飯状に成型した豆腐も製造・販売されている。
 今日、豆腐は木綿豆腐、ソフト豆腐、絹ごし豆腐、充填豆腐の四種類に大別される。

 木綿豆腐ー 豆乳に凝固剤を加えて凝固させ穴の開いた木綿豆腐用の型箱に布を敷いて流し込み圧搾・成形した豆腐。表面に布目が付くことからこの名がある。普通豆腐ともいう。脱水と成型という過程を通じ水溶性ビタミンの含有量が大きく減少するもののタンパク質、カルシウム、鉄などが多く含まれている。カルシウムが欲しいなら絹ごし豆腐よりも木綿豆腐が優れている。重量100gあたりのエネルギー80kcal、たんぱく質7.0g、灰分0.7g。 木綿豆腐を作ると、水切れがよく非常に硬い豆腐が出来上がる。
 ソフト豆腐ー 絹ごし豆腐状に凝固させたものを木綿豆腐の型箱に流し込んで軽く圧した木綿豆腐と絹ごし豆腐の中間程度の濃度の豆腐。京都では嵯峨豆腐と言われる。重量100gあたりのエネルギー59kcal、たんぱく質5.1g、灰分0.7g。
 絹ごし豆腐ー 木綿豆腐製造時よりも濃い豆乳と凝固剤で凝固し絹ごし用の型箱に流し込んでゲル状に固めて水にさらした豆腐。笹の雪ともいう。吸水総量は原料大豆重量の5~6倍となる。水分を抜かないので、ビタミンB1など水溶性ビタミンが残る上にマグネシウムも多く含まれている。代謝の促進には木綿より絹が優れている。重量100gあたりのエネルギー62kcal、たんぱく質5.3g、灰分0.7g。
 充填豆腐ー 充填豆腐(じゅうてんとうふ)は、絹ごし豆腐製造時の濃い豆乳を冷却後に凝固剤を加えて合成樹脂製の角型の容器に充填して摂氏約90度で40~50分加熱し成形した上で冷却した豆腐。衛生的で保存性が高いのが特徴。加熱で凝固させるので殺菌されて衛生的なため、長期保存に優れている。更に品質が均質で輸送性に優れている上に葉酸(ビタミンB9)の含有量は他の種類の豆腐の約2倍である。重量100gあたりのエネルギー59kcal、たんぱく質5.0g、灰分0.8g。第二次世界大戦後に発明され、発展した。

ウニ(海胆、海栗);「雲丹」の字をあてるときはウニを加工した食品を指す。日本の俳句では春の季語。
 生殖腺(精巣・卵巣)を食用にする。主に食用とされるのはホンウニ亜目のバフンウニ、エゾバフンウニ、キタムラサキウニ、アカウニ、ムラサキウニなどで、沖縄ではサンショウウニ亜目のシラヒゲウニが標準的である。生殖腺を取り出したものや、塩蔵などの加工品は漢字で雲丹と表記される。
 一般に生ウニとして板に載せ販売されているものは、精巣・卵巣が混ざったものである。卵巣は切るとゾル様に流れる特徴がある。精巣は白く半透明の精子が絡み付いていることがある。精巣の方が味が濃く美味とされており、精巣のみを集めたものは高価で、高級寿司店などに卸されている。

 

 上、ウニの刺身とにぎり寿司。

カラッケツ(空っ穴);所持金が全くない状態のこと。

無銭飲食(むせんいんしょく);後払いの飲食店で飲食して代金を支払わずに逃げることをいう。刑法上の詐欺罪に該当することがある。俗に食い逃げ(くいにげ)ともいう。

 当初から支払う意思を欠いていた場合、 飲食物の提供を受ける前から支払う意思を持たずして、「支払う」と装って飲食物を注文し(欺罔行為)、その結果、店員が支払いを受けられるものと誤解し(錯誤)、飲食物を交付させた(財産的処分行為)場合には、詐欺罪の構成要件に該当する。 詐欺罪の着手時期は、欺罔(ぎもう=相手を錯誤に陥らせるように事実をいつわること)行為を開始した時であるから、その後翻意して代金を支払っても、詐欺罪は成立する(詐欺未遂罪)。
 飲食後すぐに戻るとしてそのまま立ち去った場合、 飲食物の提供後あるいは消費後、財布を忘れたまたはその他の事情などにより、すぐに戻るとしていったん店を出て、そのまま戻らなかったような場合には、「すぐ戻る」と装って債務を免れ(欺罔行為)、その結果、店員が支払いを受けられるものと誤解し(錯誤)、一時外出を許した(利得行為)ものであり、詐欺利得罪の構成要件に該当する。 詐欺利得罪の着手時期は、欺罔行為を開始した時であるから、「すぐ戻」らなかった事によって既遂となる。その後、翻意して後日に代金を支払いに戻ったとしても、詐欺利得罪が成立する(詐欺利得未遂罪)。ただし、どの程度「すぐ」なのかは社会通念に依る。
 ウイキペディア

グツ悪なって(ぐつ わるうなって);関西、西日本の方言で、都合が悪い。具合悪い。

 


                                                            2022年8月記

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