落語「稽古屋」の舞台を行く 春風亭小朝の噺、「稽古屋」(けいこや)
■稽古屋
稽古屋、趣味教養の音曲や踊りを習うところで、稽古屋または指南所と呼ばれた。子供達が習い事で通うのは寺子屋で、武芸などを教えるところはこの様には言わず、道場、武道館(場)などと言いました。
■膝付き(ひざつき);遊芸を初めて習う時に、弟子入りのしるしに持参する包み金。束脩(そくしゅう)。入所料。
■棟梁(とうりょう);一つの集団のささえとなる重要な人。特に、大工のかしら。江戸の訛りで「とうりゅう」と言う。
■色は思案のほか(いろはしあんのほか);恋愛は常識では律せないないものだ。色事というものは分別を狂わせがちなものだ。だから教えて出来るものでは無い。
■音曲噺(おんぎょくばなし);今は絶滅したといっていい、音曲噺の名残りをとどめた、貴重な噺です。
■下地(したじ);稽古事の素養。
■娘道成寺(むすめどうじょうじ);道成寺を舞台とした、安珍・清姫伝説の後日譚。
桜満開の紀州道成寺。清姫の化身だった大蛇に鐘を焼かれた道成寺は長らく女人禁制となっていた。以来鐘がなかったが、ようやく鐘が奉納されることとなり、その供養が行われることになった。
そこに、花子という美しい女がやってきた。聞けば白拍子(踊り子)だという。鐘の供養があると聞いたので拝ませてほしいという。所化(修行中の若い僧)は白拍子の美しさに、舞を舞うことを条件として烏帽子を渡し入山を許してしまう。
花子は舞いながら次第に鐘に近づく。所化たちは花子が実は清姫の化身だったことに気づくが時遅く、とうとう清姫は鐘の中に飛び込む。と、鐘の上に大蛇が現れる。まずは演者の踊りそのものを鑑賞するのが、この作品の要点である。
■モテるための条件 ・女の美しさは
・遊廓で女を得るのに必要なものは
■焼き芋(やきいも);日本では昭和やそれ以前の時代において、冬の時期に道路や庭に積った落ち葉を集め、焚き火として燃やす際に、一緒にサツマイモを入れて焼く光景は、冬を物語るものとして扱われ、冬を表す季語ともなっている。こちらは石焼き釜とは違い裸火を使うことから火加減が難しいなどの問題もあるが、上手に焼ければ甘い風味を味わえる。
■年季; 北野武は、これはあらゆる芸事に共通なんだけど、年季が必要ってことはあるんだよね。たとえば昔の、若いときの(春風亭)小朝が「ちょっとご隠居?」、「なんだい八っつぁんかい」なんてやっても、ぜんぜんご隠居に見えないんだよね。落語は抜群にうまくても、やっぱりある程度年をとらないとこなせないわけ。
■宇治の名物蛍踊り;上方の噺に登場するこの踊りは、全裸になり全身を真っ黒に塗り尻の穴に火のついた蝋燭を挟む。舞台を真っ暗にして「宇治の名物蛍踊りの始まり始まり」の口上のあと賑やかな下座に合わせて踊り、とど、屁でろうそくの火を消すというものである。噺では「腹下してたもんやさかい、あんた、勢いよう屁は出ましたが、身イまででてしもた。」というクスグリが入る。もっとも、桂文枝のようなはんなり上品な芸風で演じるとあまり汚さが感じられない。東京の桂小文治は、上方風のはあくが強いのか「トンボ切って、床に落ちて、そこにあったカンナくずに火イついてしもた。」というようなクスグリに変えている。上方落語協会総会の余興でこの踊りが演じられるそうである。
■芸事は3歳から;昔から「芸事は3歳から」と言われています。能にしても、歌舞伎にしても、ピアノにしても、ヴァイオリンにしても、芸事は全て3歳からやらしているものだ。これは今まで人々が様々な教え方をして、経験則上辿りついた結論なのであって、我が子に芸事を学ばせたいのなら、絶対に従った方がいいのだ。
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