落語「馬の田楽」の舞台を行く 桂文生の噺、「馬の田楽」(うまのでんがく)より
■桂 文生(かつら ぶんしょう)は、落語家の名跡。当代は落語協会のホームページには三代目と記載されています。三遊亭文生を含めると過去7人前後の文生が存在する。上方落語には同じ読みの「桂文昇」という名跡があります。
■田楽(でんがく);「田楽焼き」の略、豆腐などに練り味噌を塗って焼いた料理。豆腐に串を打ったところが田楽を舞う姿に似ているところからいう。味噌に木の芽をすり込んだものを木の芽田楽という。落語「味噌蔵」に詳しい。
■マクラから、
■馬方さん(うまかた);馬背で人や荷物を運ぶ業者。馬子(まご)ともいい、中世では馬借(ばしゃく)といった。
「冨嶽三十六景 武州千住」 北斎画 奥州街道の起点(第一宿)千住の水門の場です。
■判取り帳(はんとりちょう);受け取り印、認め印を貰う帳面。江戸時代から商家、商店などで用いられた商業帳簿の一種。大福帳の半分ぐらいの大きさで、金品を受取ったという証拠に先方に印を押させるもので、後日の紛争を避ける目的をもっていた。1枚物と違って綴じてあるので紛失の心配がなく、広く用いられた。
■作男(さくおとこ);田畑の耕作に従事する雇人のこと。この語は文芸作品などにしばしば登場するが、各地の農村における実際の使用例はあまり知られておらず、意味は必ずしも明確ではない。農業労働に従事する雇人を大別すると、主家に住み込む奉公人と自分の家から通う日雇になるが、作男はばくぜんと両者を含む言葉とするのが通例である。ただ地方によっては、特定の家に出入りしてその家の農作業や雑事に従事し、なにかにつけてその家から物質的給付をうけるような、主従関係的な人物を作男という所もある。
■トコロテン(ところてん);(心太または心天、瓊脂)は、テングサやオゴノリなどの紅藻類をゆでて煮溶かし、発生した寒天質を冷まして固めた食品。それを「天突き」とよばれる専用の器具を用いて、押し出しながら細い糸状(麺状)に切った形態が一般的である。右写真。
■腹掛け(はらがけ);馬の腹に腹掛けをして、馬の腹の保護と馬の持ち主の証とした。腹掛けのトレードマーク。
左、「東海道五十三次の内 藤沢」部分 広重画 腹掛けした馬から積み荷を降ろし、計量を待っている。
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