落語「出来心」の舞台を行く 三笑亭夢楽の噺、「出来心」(できごころ。花色木綿)
江戸時代には、
■卒塔婆(そとうば);サンスクリット語でストゥーパ。もとは釈迦の遺骨を納めた聖なる塚のこと。仏教の広まった各地で、これをかたどった塔(同じく卒都婆と呼称)が作られるようになり、仏の体を表すものとして、礼拝の対象となる。後に墓標、死者を供養する塔としても用いられるようになった。また高野山など、聖地への道しるべとしても建てられた。板塔婆。
右図;芳年の作品「卒塔婆の月」。お能で有名な七小町のひとつ、卒塔婆小町として有名な場面です。
■越中褌(えっちゅうふんどし);(細川越中守忠興の始めたものという)
ふんどしの一種。長さ100cm程度(3尺)、幅34cm程度(1尺)の布の端を筒に縫い、その筒に紐を通した下着である。一部ではクラシックパンツ、サムライパンツとも呼ばれている。医療用の下着であるT 字帯も越中褌の一種。禊(水行)の時に使われる場合が多い他、一部の裸祭りでは六尺褌に代って、こちらが使われる場合がある。
その着装法は、『守貞漫稿』によれば、「紐を通したる方を背にし、紐を前に結び、紐方を前の紐に挟む也」という。
■台所の羽目板(だいどころのはめいた);台所の流し前の床に作られた床下収納庫の上蓋。その床板は剥がされるように出来ていて、その板を剥がすと床下になり、泥付き野菜、酒瓶、漬け物樽などが置かれた。
■家賃の催促(やちんのさいそく);借家なので毎月きちんと家賃を納めなければいけないが、諸事情が重なって滞納すると、大家から納付の催促が来ます。その事情に泥棒が入ったとの言い訳を思いつきます。
■唐草模様(からくさもよう);織物・染物・蒔絵などで、蔓草のからみ這う形を描いた文様。唐草。忍冬(ニンドウ)唐草・葡萄唐草・宝相華唐草・蓮華唐草など種類が多い。今では和風では風呂敷、獅子舞の胴に多く使用される。
・忍冬唐草(にんどう からくさ);
スイカズラ(忍冬)のような蔓草(つるくさ)を図案化した唐草文様。
・葡萄唐草(ぶどう からくさ);ブドウの柄を文様とした物(下左)
・宝相華唐草(ほうそうげ からくさ);唐草に、架空の5弁花の植物を組み合わせた空想的な花文。中国では唐代、日本では奈良・平安時代に装飾文様として盛んに用いられた。(下中、MOA美術館)
・蓮華唐草(れんげ からくさ);赤の地色に、複雑に蔓がからんだ大きな蓮華を配した紹巴です。仏教とともに日本に渡ってきた蓮華文は、さまざまな仏教関係の装飾に用いられています。(下右、MOA美術館)
■花色木綿(はないろもめん);花色(はないろ)もまた縹色(はなだいろ・下記色見本)および露草色と同じ由来を持つ。花色という名前はもともと縹色の別表記「花田色」が省略されたものであり、花はツユクサを示す。すなわち本来はツユクサの花の色を表しており、縹色とまったく同じ色を表していたと思われる。現在でも縹色と同一視する場合もあるが、時代を経るなかで縹色よりもやや紫みの強い色をさすことが多くなった。江戸時代に着物の裏地として用いられた木綿の藍染のことを一般に花色と称しており、用途によって色名が区別されていったことが考えられる。
花色(はなだいろ。淡藍色。)に染めた木綿織。多く裏地に用いる。広辞苑
ジーンズに染められているあの紺色ですが、使われると色がだんだん薄くなってきます。その色の幅があるように、花色にも幅があります。しかし、裏地に使う生地はあんなゴワゴワの生地ではありません。仕事着で丈夫一点張りの着物の裏生地にも使われます。田舎侍が好んで使われた裏地は、浅葱(あさぎ)色で、緑がかった薄い藍色(バックの色)。
■羽二重(はぶたえ);経糸に生糸、緯糸に2本撚りの生糸を織り込んだ、緻密で肌触り良く光沢のある平組織の上質な白生地。主として紋付の礼装に用いる。福井・石川・富山などが主産地。
ここからなめらかな肌触りの物を羽二重○○と言われる。羽二重餅、羽二重肌、羽二重ティシュー、羽二重苺、羽二重焼・・・等の多くの商品があります。
2015年1月記 前の落語の舞台へ 落語のホームページへ戻る 次の落語の舞台へ
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