落語「ふぐ鍋」の舞台を行く 桂小南の噺、「ふぐ鍋」(ふぐなべ)
■河豚(ふぐ);フグ科とその近縁の硬骨魚の総称。多くは体は肥り、背びれは小さく、歯は板状で鋭い。攻撃されると、腹部を膨らますものが多い。肉は淡泊で美味、冬が旬であるが、内臓などには毒を持つものが多い。マフグ・トラフグ・キタマクラ・ハコフグなど。
右図;ふぐ鍋。
清水桂一著の「たべもの語源辞典」には次のように解説されている。
上図;トラフグとフグサシ
■河豚毒の症状;摂食直後から3時間程度で症状が現れる。麻痺は驚異的な速度で進行し、24時間以内に死亡する場合が多い。毒の排出は約8時間で終わる。症状としては口や唇にしびれが生じ、それが周りへ広がる。最終的には呼吸筋が麻痺し、呼吸困難から呼吸麻痺が起こり死に至る。意識がなくなることはまずない。毒を含んだフグを食べてから症状が出るまでの時間は早ければ数分で、麻痺は急速に進行する。有効な応急措置はまずは毒を吐かせ、呼吸麻痺に陥った場合は気道確保と人工呼吸を行うことである。いまだ特効薬は見付かっていない。
このテトロドトキシンに負けて死んでしまった落語の主人公、”らくだ”さんがいます。さん付けで呼ぶことは無いのですが、落語「らくだ」に有ります。
■温泉地;
■テツ;河豚。鉄砲のてつ。弾(タマ)に当たれば死ぬからフグ。当たりたくないとみんな願って食べるが、選ばれた人がテッポウに当たって死ぬ。今は死ぬことは無いが、当時は命と美味をテンビンに掛けて、食べた。
■幇間(ほうかん);太鼓持ち。座敷の場を盛り上げる男芸者。
■塩辛(しおから); イカ・ウニや魚などの肉・卵または内臓などを塩漬にして発酵させたもの。酒の肴とする。カツオの内臓を用いたものを酒盗という。代表的な物はイカの身とワタとを混ぜて発酵させたイカの塩辛。
■乞食(こじき);食物や金銭を恵んでもらって生活する者。ものもらい。
■雑炊(ぞうすい);大根・ねぎなどの具を刻みこみ味付けをして炊いたかゆ。おじや。ここでは、ふぐ鍋の残りスープで作るかゆ。全ての出汁が出たスープで作るから絶品です。
2015年1月記 前の落語の舞台へ 落語のホームページへ戻る 次の落語の舞台へ |