落語「ラーメン屋」の舞台を行く 五代目古今亭今輔の噺、「ラーメン屋」(らーめんや)より
■五代目古今亭 今輔(ここんてい いますけ);(1898年(明治31年)6月12日 - 1976年(昭和51年)12月10日)群馬県佐波郡境町(現:伊勢崎市)出身の落語家。本名は、鈴木 五郎(すずき ごろう)(旧姓:斎藤)。生前は日本芸術協会(現:落語芸術協会)所属。出囃子は『野毛山』。俗にいう「お婆さん落語」で売り出し、「お婆さんの今輔」と呼ばれた。
■ラーメン;中華麵とスープ、様々な具(チャーシュー・メンマ・味付け玉子・刻み葱など)を組み合わせた麵料理(ただし具を入れない場合もある。)出汁(だし)、タレ、香味油の三要素から成るスープ料理としての側面も大きい。漢字表記は拉麵、老麵または柳麵。別名は中華そばおよび支那そば・南京そばなどである。
日本では、明治時代に開国された港に出現した中国人街(南京街)に中華料理店が開店し、大正時代頃から各地に広まっていった。日本風に仕立てられ独自の発達をし、現在ではカレーライスと並んで「日本人の国民食」と呼ばれるほど人気の食べ物となり、中華人民共和国や中華民国では日式拉麵(日式拉麵/日式拉面)または日本拉麵(日本拉麵/日本拉面)と呼ばれている。英語表記は、オックスフォード英語辞典によるとramen、Chinese noodles。
ラーメンは江戸時代末に開港した横浜・神戸・長崎・函館などに明治時代になると誕生した中華街(当時は南京町と呼ばれた)で食べられていた中国の麺料理をルーツとするものである。
明治43年(1910)、東京府東京市浅草区に初めて日本人経営者尾崎貫一が横浜中華街から招いた中国人料理人12名を雇って日本人向けの中華料理店「来々軒」を開店し、大人気となった。その主力メニューは、当時は南京そば・支那そばなどと呼ばれたラーメンだった。ラーメン評論家の大崎裕史はこの年を「ラーメン元年」と命名している。
この店の成功を受けて日本に続々と庶民的な中華料理店が開店し、ラーメンは餃子やシュウマイなどとともに定番メニューとして広まっていった。戦後は中国からの引揚者によるラーメン屋台も多く出現した。約100年の歴史の中で、さまざまなアレンジが加えられていき、中国やベトナムなどのアジアの麺料理とは異質な日本独特の麺料理に発展・変化している。ラーメンはラーメン専門店、中華料理店、レストラン、屋台などの外食で提供されている。即席麺・カップ麺は海外に輸出している。
現在では名称は「ラーメン」「らーめん」と表記されることが多いが稀に 「らうめん」 や「らあめん」 表記されることもある。「中華そば」とも表記されるが、呼び方が違うだけで料理は同じものである。時代とともに南京そば→支那そば→中華そば、と日本での呼び名は変わっていき、ラーメンという呼び方を広めたのは、昭和33年(1958)に日清食品が発売した世界初のインスタント麺「チキンラーメン」であるともいわれている。ブラジルでは即席ラーメンをLamenまたはMiojio(明星食品の意味)とよぶ。
日本のラーメン原点ともされる醤油ラーメンでは、鶏ガラを基本に、野菜と削り節や煮干しで味を整えたものが主流である。また、「昔風」を標榜しているラーメンも同様のダシを使用することが多い。日本蕎麦屋だとか屋台のラーメン屋では醤油ラーメンが多い。
■屋台(やたい);屋台店(やたいみせ)。屋根が付いた移動可能な店舗。飲食物や玩具などを売る。当初、蕎麦屋は「振り売り」形式の屋台が多く、寿司屋は「立ち売り」形式の屋台が多かった。
世界各地に様々な形態の屋台がある。初期の形態としては、天秤棒で担いで売り歩いた形態があったが商品を多く運べないのが欠点。リヤカーのように可動式の店舗部分を人力、自転車、オートバイで牽引するものや、テントのように組み立て型の骨組みをもとに店舗を設置する場合もある。またトラックの荷台の部分を改造したものもある。似た言葉として露店(ろてん)があるが、露店は移動式とは限らず、歩道上に物を並べて販売したり、建物の店先で物を売る店も含まれる。
屋台のラーメン屋さんはめっきり少なくなりました。道交法で路上に長時間止まっていたのでは、駐車になるからいけないと言い始めて、数が激減しました。また、保健所のほうから衛生管理がしっかり出来ていないじゃないかと言う事で、益々その陰を消していきました。リヤカーで引っ張る同じような『おでん屋』さんも同じように姿を消しました。確かに言っている事は正しいのですが、人間らしさが無くなりました。
■裏を返して;遊廓や粋筋では、最初に来たお客さんを『初会』と言い、二回目に来たときには『裏を返す』と言います。三回目から初めて『なじみ』となって、常連さんになります。この屋台のラーメン屋さんでも同じように言うのでしょうね。お婆さんが「裏を返す」と言うのは、よほどお爺さんから教育されていないと、この単語は出て来ません。また、お婆さんが若いときに、その方面で働いていたのかと思われますよ。
■交番(こうばん);交替で番をするところの略称。日本の警察が設置している施設で、市街地の各所に設けられた警察官の詰め所のこと。
通常は警察署地域課の警察官が勤務している。英訳語としては通常ポリスボックス (police box) が当てられるが、英語圏のポリスボックスと日本の交番は異なるとの考えからそのままコーバン (kōban) とされることもある。 警察用語では「PB」と呼ばれている。このシステムが輸出されて、治安が良くなったと各国で好評です。
■労働賃金(ろうどうちんぎん);時代を表す言葉で労働賃金とは言わず、今は単に賃金といいます。労力を提供したものが、報酬として受け取るお金のことをいう。
■ブタ箱;警察所に設置されている被疑者・容疑者を留置したり、勾留された被疑者を収容するための代理監獄として用いられる収容所の俗称である。 江戸時代までは牢屋が一般的であった(牢は牛(馬)を入れておく檻の意)。 しかし、豚肉を食すようになり、豚を家畜として飼うようになるとブタ箱と呼ぶようになる。
■1杯上戸(いっぱいじょうご);酒飲みのクセで、酒をコップ一杯飲めば出来上がってしまう強さ(弱さ)の酒飲みの事。
2016年8月記 前の落語の舞台へ 落語のホームページへ戻る 次の落語の舞台へ |