落語「小言念仏」の舞台を行く 十代目柳家小三治の噺、「小言念仏」(こごとねんぶつ)より
■五戒(ごかい);〔仏〕在家の守るべき五種の禁戒(キンカイ)。不殺生(フセツシヨウ)・不偸盗(フチユウトウ)・不邪淫(フジヤイン)・不妄語(フモウゴ)・不飲酒(フオンジユ)。
■不殺生(フセツシヨウ);〔仏〕生きものを殺すこと。狩猟・漁労などをもいう。殺生戒と言って、〔仏〕五戒・八戒・十戒のひとつ。殺生を戒める戒律。仏様の前で生き物を殺すなんて、何のためのお題目なのでしょう。
■不偸盗(フチユウトウ);人の物を盗み取ること。仏教では五悪・十悪のひとつ。ぬすびと。盗賊。これらをしてはいけない。
■不邪淫(フジヤイン);妻または夫以外の者と淫事を行うことを戒める。今の言葉で言うと浮気でしょうか。
■不妄語(フモウゴ);うそをつくこと。虚誑語、をしてはいけない。妄語戒の略。でも、嘘も方便とも言う。
■不飲酒(フオンジユ);酒を飲むことを戒めた。般若湯なら良い?
■南無阿弥陀仏(ナムアミダブツ);阿弥陀仏に帰命するの意。これを唱えるのを念仏といい、それによって極楽に往生できるという。六字の名号。「南無阿弥陀仏」とは「わたくしは(はかりしれない光明、はかりしれない寿命の)阿弥陀仏に帰依いたします」という意味。
右写真:仏壇は昔からの家具調からモダンタイプまで様々な形があります。また宗派によっても違い、中の飾り付けも違ってきます。そのうえ、最近では犬猫の仏壇もあって、人間の仏壇には入れてはいけないと言います。
■柳ッぱ(やなぎっぱ);蒲焼きが出来るほどの大きなドジョウより、柳の葉位の大きさ(小ささ)のドジョウを好みとしている。
■ドジョウ;【泥鰌・鰌】(江戸時代にはしばしば「どぜう」と書いた)
ドジョウ科の硬骨魚の総称。またその一種。全長約15cm。体は長く円柱状。口は下面にあって、まわりに5対の口ひげがある。体の背部は暗緑色で、腹部は白く、尾びれは円い。淡水の泥の中にすみ、夜出て餌を探す。腸でも呼吸できる。日本をはじめとした東アジア地域では食用魚としての養殖も盛んに行われている。おどりこ。
どじょう汁(どぜう汁)嘉永元年『江戸名物酒飯手引草』にも見る事が出来る。江戸甘味噌などの合わせ味噌で食べる汁物。誹風柳多留は、「どぢやう汁 内儀食ったら忘れ得ず」と詠んでいる。
■百目(ひゃくめ);重さの単位。1/10貫目。375g。この家族で食べるには丁度適量でしょう。
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