落語「のっぺらぼう」の舞台を行く 五代目春風亭柳好の噺、「のっぺらぼう」より
■五代目春風亭柳好(しゅんぷうていりゅうこう);(1967年7月13日 - )は、落語芸術協会に所属する落語家。本名 平山 哉(ひらやま はじめ)。神奈川県川崎市出身。出囃子は「おいとこ」。
■のっぺらぼう;のっぺらぽん。丈が高く、顔に目鼻口のないばけもの。茹で玉子をむいたようなペロリとした顔の妖怪。古くから落語や講談などの怪談話や妖怪絵巻に登場してきた比較的有名な妖怪であり、小泉八雲の『怪談』の「貉(ムジナ、MUJINA)」に登場する妖怪としても知られる。また、しばしば本所七不思議の一つ『置いてけ堀』と組み合わされ、魚を置いて逃げた後にのっぺらぼうと出くわすという展開がある。妖怪としての害は人を驚かすことだけで、それ以上の危害を与えるような話は稀。
最近のマネキンはのっぺらぼうが流行みたいです。 銀座にて
原典でもある、小泉八雲の「貉(むじな)」 から、
■四谷左門町(よつやさもんちょう);新宿区にある同名の町。歌舞伎四谷怪談に出て来る民谷伊右衛門の住所地で、実際の田宮(読みは同じだが字体が違う)伊右衛門の住まいの後に出来た”於岩稲荷”が有る所。
■四谷怪談(よつやかいだん);歌舞伎脚本『東海道四谷怪談』で有名。五幕。四世鶴屋南北作の世話物。文政8年(1825)初演。浪人民谷伊右衛門は私欲に迷って妻のお岩に毒を盛り憤死させ、家伝の秘薬を盗んだ小仏小平をも惨殺し、二人を戸板の裏表に釘付けし死骸を川に流したが、そのお岩の亡霊に悩まされて自滅する。南北の代表作。
■小間物(こまもの);目貫(メヌキ)・小刀や化粧品・櫛・カンザシ・紙入れ・扇子・風呂敷などのこまごました品物。それを商うのが小間物屋。
■赤坂(あかさか);港区赤坂。TBS-TVがあり、乃木神社や氷川神社、落語「寛政力士伝」で紹介した雷電の墓が有る報土寺、落語「景清」の円通寺、過去には勝海舟が住んでいた地でもあります。
■旗本(はたもと);江戸時代、将軍直属の家臣のうち、知行高が1万石未満の直参で御目見(オメミエ)以上の格式のあった者。御目見以下を御家人(ゴケニン)という。
■赤坂見附(あかさかみつけ);現赤坂の北東部にある地名。江戸城外堀に面した城門に因む名。赤坂御門。
明治初期の赤坂御門。手前が赤坂の町で、高麗門の先は江戸城内で、内堀までは一般人でも通行は支障有りませんでした。
■溜池(ためいけ);赤坂見附から南に外堀があって、現在は埋め立てられて外堀通りと名が変わっています。1km程南に、首相官邸近くに溜池交差点が有り、江戸時代そこを中心に大きな溜池がありました。五代目柳好は間違った解説をしています。弁慶橋が架かったお堀と混同しているようです。
■弁慶橋(べんけいばし);赤坂見附の外堀通りから紀尾井(きおい)町に有るホテルニューオオタニに入って行くところに架かる橋。木で出来たようなコンクリート製の橋で、釣り堀や貸しボートが有ります。この道はホテルニューオータニに行く道ですから、夜が更けても人通りや車の通が激しいところです。弁慶橋を渡らずに左側の濠に沿った道が、小泉八雲のいう紀伊国坂で左側は御所(現赤坂離宮)なので薄暗い上り坂です。上がりきる手前が筋違い御門で、円生が噺の中で首くくりの多いところだと言っています。それを右に見て、坂を上がりきると正面に四谷見附が見えます。
「弁慶橋」 明治東京名所図会 図中、左の奥に見えるのがプリンスホテル、右側の高台が赤坂見附御門跡、濠はここで行き止まりになっている。濠の右側の凹んだところが外堀に抜ける水路。橋の左側は紀尾井坂で、岩倉具視や大久保利通などの明治の重鎮が暗殺者に襲われた。橋の右側が赤坂見附の交差点。
■文金高島田(ぶんきんたかしまだ);(同じころ男髷(オトコマゲ)の文金風が流行したため) 女の髪の結い方のひとつ。島田髷の根を最も高くした、高尚・優美なもの。もと辰松島田。針打ち。文金島田。現代では結婚式で花嫁さんや芸者さんが結う髪型。
■友禅の振り袖(ゆうぜんのふりそで);友禅染、染色のひとつ。糊置(ノリオキ)防染法の染で、繊細な糊置の技法と多彩華麗な絵文様が特色。元禄(1688~1704)ごろ宮崎友禅斎が一段と美しい文様染を完成したといわれる。本来の友禅染は一切の工程が手描きであるが、明治以後型紙使用の型友禅ができ、量産されるようになった。
振袖は、現代では、若い未婚の女性が着用するものと見なされる場合が多いが、本来は着用者が未婚か既婚かということで決める物ではなく、若い女性用の和服であった。それゆえある程度の年齢になると一般的な女性は着用しない。
「振り」とは「振八つ口」とも呼ばれ、身頃に近い方の袖端を縫い付けずに開口している部位のことを指す。現代の振袖の特徴は「振り」があり、かつ、袖丈が長いことである。袖に腕が入る方向に対して垂直方向の長さが袖丈である。現代では最も袖丈の短い小振袖はほとんど着用されず、もっぱら大振袖・中振袖が用いられるが、格式がある柄付けならば小振袖でも中振袖でも第一礼装となり、一般的な大振袖より格が落ちるわけではない。今日の成人式に着用される振袖はほとんどが大振袖(本振袖)である。
■亀の甲より年の功(かめのこうより としのこう);
■四谷見附(よつやみつけ);江戸城の外堀・内堀に架けられた橋には沢山の見附が有った。そのひとつで、江戸城半蔵門から西に甲州街道が開かれていたが、麹町を抜けて最初の見附を四谷見附といった。現在はJR四ツ谷駅が有り、地下鉄丸ノ内線、南北線がここに駅を開設している。
■カワウソ(かわうそ); イタチ科の哺乳類。体長約70cm。イタチに似、体は褐色。四肢は短く、蹼(ミズカキ)があって泳ぎに適し、水中で魚などを捕食。毛皮は良質。ヨーロッパからアジアに広く分布するが、日本では絶滅。最近対馬で発見されたと言うがニホンカワウソでないことが判明。
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