★昔話には必ず教訓的なものが含まれているのだが、この落語の「こぶとり爺さん」にはそういうものがない、と言う。
爺さんでも婆さんでも二人出てくると、大概は後から登場してくる方が悪い人物という法則があるのだが、それならコブを付けられてしまった爺さんは、一体どんな悪い事をしたのだろうか・・・。この落語からするとよく分からないが、昔話を読むとその辺がよく分かる。
★医療的観点からみた『こぶとり爺さん』、
こぶとり爺さんで描かれている「瘤」は耳下腺の多形性腺腫であろう。これは良性腫瘍であるためここまで大きくなっても平気なのであり、もし腺癌などの悪性腫瘍であったならばここまで大きくなる前に他の臓器に転移してしまうと思われる。また、隣のお爺さんが鬼につけられた他人の瘤は、拒絶反応により時間が経過すればそのうち取れる可能性がある。めでたし、めでたし。でも、最初から付いていたコブは以前そのまま。ああ~あ。
■日本昔話(にほんむかしばなし);『まんが日本昔ばなし』(まんがにっぽんむかしばなし)は、愛企画センター、グループ・タック、毎日放送の共同制作により放送されたアニメ作品及びテレビアニメ。
1975年(昭和50年)に開始。放送枠は30分で、作詞家の川内康範が監修に携わり、川内の娘で童話作家である川内彩友美が企画。毎回日本各地に伝わる昔話が映像化され、市原悦子と常田富士男の両名が一人で何役もの声を使い分ける独特の語りによって紹介する。これが誠に良い。スタッフに一流のベテランアニメーターやイラストレーターが多数起用された。番組内で使われた音楽にも川内の甥である北原じゅんの純邦楽からロック、フォーク、ラテン、クラシックなどを織り込んだ多彩かつ無国籍な音楽が使用された。
MBS制作で最初はNET系列で1975年3月25日までの火曜日午後7時から7時30分まで放映されたが開始から3か月でいったん放映は終了し、9か月のブランクを挟んでTBS系列へ移動して再開された。放送時間帯は土曜日の午後7時から7時30分頃までだった。このブランクの原因は、本来この番組は在外日本人向けとして制作されていたもので、番組改編の都合で空いた枠の穴埋め放映として使用したが、反響の高さから改めてレギュラー番組化されるという経緯によるもの。
1994年(平成6年)3月26日ゴールデン帯での全国ネット放映終了。
全国ネット枠時代の全952回の平均視聴率は、TBSで20.9%(ビデオリサーチ調べ、関東地区・世帯・リアルタイム)、制作局の毎日放送で18.1%(ビデオリサーチ調べ、関西地区・世帯・リアルタイム)だった。
最高視聴率
TBS 1981年1月10日放送の33.6%(ビデオリサーチ調べ、関東地区・世帯・リアルタイム)。
毎日放送 1980年10月4日放送の39.6%(ビデオリサーチ調べ、関西地区・世帯・リアルタイム)。
「幼いころの思い出が詰まった番組、後世に残すべき作品なので、ぜひ放送して」、「子供と一緒に見たい。放送できないのなら、せめて全作DVDの発売を」など、「お便りコーナー」には、番組終了翌日に2700通ものメッセージが届き、2007年夏には5000通を突破している。その後も番組への意見は続々と寄せられており、 通常の番組は終了すると掲示板等は閉鎖されるが、2013年現在、「お便りコーナー」として掲示板が存在する。
この項、ウイキペディアより編集
★『ごん狐』(ごんぎつね)新美南吉作の児童文学。南吉の代表作で、彼が18歳の時に執筆した。初出は『赤い鳥』1932年1月号。作者の死の直後、1943年9月30日に刊行された童話集『花のき村と盗人たち』(帝国教育会出版部)に収録された。
あらすじ
両親のいない小狐ごんは村へ出てきては悪戯ばかりして村人を困らせていた。ある日ごんは兵十が川で魚を捕っているのを見つけ、兵十が捕った魚やウナギを逃がすという悪戯をしてしまう。それから十日ほど後、兵十の母親の葬列を見たごんは、あのとき逃がしたウナギは兵十が病気の母親のために用意していたものだと悟り、後悔する。
母を失った兵十に同情したごんは、ウナギを逃がした償いのつもりで、鰯を盗んで兵十の家に投げ込む。翌日、鰯屋に鰯泥棒と間違われて兵十が殴られていた事を知り、ごんは反省する。それからごんは自分の力で償いをはじめる。しかし兵十は毎日届けられる栗や松茸の意味が判らず、知り合いの加助の助言で神様のおかげだと思い込むようになってしまう。それを聞いてごんは割に合わないとぼやきながらも届け物を続ける。
その翌日、ごんが家に忍び込んだ気配に気づいた兵十は、またいたずらに来たのだと思い、戸口を出ようとするごんを撃ってしまった。兵十がごんに駆け寄ると土間に、栗が固めて置いてあったのが目に留まり、はじめて、栗や松茸がごんの侘びだったことに気づく。
「ごん、おまえ(おまい)だったのか。いつも、栗をくれたのは」。と問いかける兵十に、ごんは目を閉じたままうなずく。兵十の手から火縄銃が落ち、筒口から青い煙が出ているところで物語が終わる。
★昔話『花咲か爺さん』
あらすじ
昔々、あるところに、お爺さんとお婆さんが住んでいました。二人は子どもがいなかったので、シロというイヌをとても可愛がっていました。ある日、シロが畑でほえました。
「ここほれワンワン、ここ掘れワンワン」、
「おや? ここをほれと言っているのか。よしよし、掘ってやろう」。お爺さんがほってみると、「ややっ、これはすごい!」。なんと、地面の中から大判小判がザクザクと出てきたのです。
この話を聞いた、となりの欲張り爺さんが、「わしも、大判小判を手に入れる。おめえのシロを、わしに貸してくれや」。欲張り爺さんは、シロを無理矢理畑に連れて行きました。そして、嫌がるシロがキャンキャンないたところを掘ってみると、臭いゴミがたくさん出てきました。「この役立たずのイヌめ!」。怒った欲張り爺さんは、なんと、シロを殴り殺してしまったのです。
シロを殺されたお爺さんとお婆さんは、泣く泣くシロを畑に埋めてやると、棒を立ててお墓を作りました。次の日、お爺さんとお婆さんがシロのお墓参りに畑へ行ってみると、シロのお墓の棒が一晩のうちに大木になっていたのです。お爺さんとお婆さんは、その木で臼(うす)を作って、お餅を突きました。すると不思議な事に、もちの中から宝物がたくさん出てきました。それを聞いた、欲張り爺さんは、「わしも、餅を突いて宝を手に入れる。おめえの臼を、わしに貸してくれや」
と、臼を無理矢理借りると、自分の家で餅を突いてみました。しかし出てくるのは石ころばかりで、宝物は出てきません。「いまいましい臼め!」、怒った欲ばり爺さんは臼をオノでたたき割ると、焼いて灰にしてしまいました。
大切な臼を焼かれた爺さんは、せめて灰だけでもと、臼を焼いた灰をザルに入れて持ち帰ろうとしました。その時、灰が風に飛ばされて、枯れ木にフワリとかかりました。すると、どうでしょう。灰のかかった枯れ木に、満開の花が咲いたのです。爺さんは、嬉しくなって。「枯れ木に花を咲かせましょう。パアーッ」
と、言いながら次々に灰をまいて、枯れ木に美しい花を咲かせました。ちょうどそこへ、お殿さまが通りかかりました。「ほう、これは見事じゃ」、お殿さまはたいそう喜んで、お爺さんに沢山の褒美をあげました。それを見ていた欲張り爺さんが、「おい、わしも花を咲かせて褒美をもらう。その灰を、わしによこせ!」。無理矢理に灰を取り上げると、お殿さまに言いました。「殿さま、この灰はわしの物です。わしが枯れ木に花を咲かせますから、わしにも褒美を下さい。バァーッ!」、欲張り爺さんは殿さまの前で沢山花を咲かせようと、灰をいっせいにまきました。すると灰がお殿さまの目に入って、欲張り爺さんはお殿さまの家来にさんざん殴られたということです。
おしまい
★昔話『舌切り雀』
あらすじ
昔々、在るところに、お爺さんとお婆さんがいました。心のやさしい爺さんは、一羽の雀を飼っていました。ある日、雀がお婆さんがつくったノリを、ツンツンと突いて食ベてしまったのです。「このいたずら雀!」、怒ったお婆さんは雀をつかまえると、なんとハサミで雀の舌を切ってしまいました。チュッ、チュッ、チュッ!雀は泣きながら、薮の中へ逃げていきました。間もなくお爺さんが仕事から帰ってきましたが、雀の姿が見えません。
「お婆さん、わしの雀はどこに行ったかの?」、「ふん! あのいたずら雀。私のノリを食べてしまったから、舌をハサミで切ってやったわ」、「なんと、可哀想に・・・」。
心の優しいお爺さんは、舌を切られた雀の事が心配でなりません。「大丈夫だろうか? ご飯はちゃんと、食べているだろうか? ・・・よし、探しに行こう」。お爺さんは雀の逃げた薮に、雀を探しに行きました。「おーい、お~い。雀や雀。舌切り雀は、どこにいる?」、すると薮の陰から、チュンチュンと雀の鳴く声がします。「お爺さん、ここですよ。雀の家はここですよ」、薮の中から、雀たちが大勢現れました。見ると、舌を切られた雀もいます。「おおっ、すまなかったな。どれ、舌は大丈夫か? ・・・ああっ、良かった。これなら大丈夫だ」。雀の舌を見て、お爺さんはホッとしました。「ありがとう、お爺さん。さあさあ、わたしたちの家で休んでいってくださいな」。雀たちは、みんなでお爺さんを雀の家へ連れて行きました。そしてみんなで雀踊りをしたり、美味しい御馳走を沢山出してくれました。お爺さんは、大喜びです。「それでは暗くならないうちに、おいとまをしよう。雀さんたち、ありがとう」。お爺さんがお礼を言って帰ろうとすると、雀たちは大きなつづらと小さなつづらを持ってきました。「お爺さん、お土産にどちらでも好きな方を持って行って下さいな」、雀達が、言いました。「ありがとう。でも、私はこの通りお爺さんだから、あまり大きなつづらは持つ事が出来ない。小さい方を、いただくとしよう」。お爺さんは小さなつづらをお土産にもらうと、背中に背負って帰って行きました。
そして家に帰って雀のお土産を開けてみると、なんと中には大判小判に宝石やサンゴなどの美しい宝物が沢山入っていたのです。雀たちは優しいお爺さんに、みんなでお礼の贈り物をしたのです。「まあ、まあ、まあ、なんて良い物をもらったんでしょう。私も欲しいわ」。雀のお土産を見て、お婆さんはうらやましくてなりません。「どれ、私も行って、もらってこようかね」、お婆さんは、雀の家へ出かけて行きました。そして雀の家に、無理矢理入ると、「御馳走も踊りも、いらないよ。すぐに帰るから、早く土産を持って来るんだよ」、「はい、では、大きいつづらと小さいつづら・・・」、「大きいつづらに、決まっているだろ!」、お婆さんは大きいつづらを受け取ると、急いで家へ帰っていきました。「しかし、なんとも重たいつづらだね。でもそれだけ、お宝が沢山入っている証拠だよ」。家までもう少しでしたが、お婆さんはつづらの中にどんな物が入っているのか見たくてなりません。「どれ、何が入っているか、見てみようかね」。お婆さんは道ばたでつづらを下ろすと、中を開けてみました。なんとつづらの中には、ムカデにハチにヘビ、そして恐ろしい顔のお化け達が沢山入っていたのです。「たっ、助けておくれー!」、お婆さんは一目散に、家へ逃げ帰りました。
そしてお爺さんに、この事を話すと、「お婆さん、可愛い雀の舌を切ったり、欲張って大きなつづらをもらったりしたから、バチが当たったのだよ。これからは、生き物を可愛がっておやり。それから決して、欲張らないようにね」。お爺さんはお婆さんに、そう言いました。
おしまい
★昔話『かぐや姫(竹取物語)』
あらすじ
ある日の事、お爺さんが竹薮に行くと、根元が光っている不思議な竹を見つけました。「ほほう、これはめずらしい。どれ、切ってみようか。えい! ・・・うん? これは!」
お爺さんがその竹を切ってみると、なんと中には小さな女の子がいたのです。
子どものいないお爺さんとお婆さんは、とても喜びました。そしてその子を『かぐや姫』と名付けて、大切に育てたのです。かぐや姫は大きくなるにしたがって、とても美しくなりました。そして年頃になると、「どうか、かぐや姫をお嫁さんに下さい」
と、若者が大勢やって来ました。中でも特に熱心な若者が、五人いました。みんな、立派な若者です。でも、かぐや姫は、お嫁に行くつもりはありません。かぐや姫は、困ってしまい、「では、私が言う品物を持って来てこの世に下さった方のところへ、お嫁に行きましょう」
と、言って、世にも珍しいと言われる品物を一人一人に頼みました。五人の若者はそれぞれに大冒険をしましたが、かぐや姫の望んだ品物を手に入れた者は一人もいませんでした。なんとか五人の若者を追い返したかぐや姫ですが、かぐや姫のうわさはとうとう帝の耳にも入りました。「ぜひ、かぐや姫を后(きさき)に欲しい」、帝の言葉を聞いたお爺さんとお婆さんは、大喜びです。「すばらしい婿さんじゃ。これ以上の婿さんはない」お嫁に行くつもりのないかぐや姫は、何とか断ろうと思いましたが、帝に逆らえば殺されてしまうかもしれません。それ以来、かぐや姫は毎晩毎晩悲しそうに月を見上げては泣いていました。
ある日、お爺さんとお婆さんが心配して訳を尋ねると、かぐや姫は泣きながら言いました。「実は、私は月の世界の者です。今まで育てていただきましたが、今度の満月の夜には月へ帰らなくてはなりません」。それを知った帝は、満月の夜、何千人もの兵士を送ってかぐや姫の家の周りを守らせました。何とかして、かぐや姫を引きとめようとしたのです。けれど真夜中になって月が高く昇ると、兵士たちは突然眠ってしまいました。かぐや姫はその間に、月の使いの車に乗って月に帰ってしまいました。その事を知ったお爺さんもお婆さんも帝も、とても悲しんだと言うことです。
おしまい
■頬(ほう);(「ほほ」とも)
顔の一部、鼻と口との両側の、耳にいたるまでの部分。ほっぺた。
■昔話『桃太郎』(ももたろう);
あらすじ
昔々、あるところにお爺さんとお婆さんがいました。
お爺さんは山へ柴刈りに、お婆さんは川へ洗濯に行きました。
お婆さんが川で洗濯していると、どんぶらこっこどんぶらこと、川上から大きな桃が流れてきました。
お婆さんはその桃を家に持ち帰りました。
桃を食べようと割ったところ、桃の中から元気な男の子が飛び出しました。子どもがいなかったお爺さん、お婆さんは大変喜んで、桃から生まれた男の子に桃太郎と名付け、大事に育てました。
大きく成長した桃太郎は、鬼ヶ島へ鬼退治に行くことになりました。
お婆さんが作ってくれたキビ団子を腰にぶらさげ鬼ヶ島へと出発しましたが、道中、犬、猿、キジが順番に現れ、キビ団子を欲しがります。
桃太郎は、鬼ヶ島へ同行することを条件に、キビ団子を分け与えます。
犬、猿、キジの3匹は桃太郎の家来となり船で鬼ヶ島へと向かいます。
鬼ヶ島では鬼たちが酒盛りの真っ最中で、奇襲を仕掛けた桃太郎と3匹の家来は大勝利、鬼が悪行を重ねて集めた宝物を台車で引き村へと持ち帰りました。目出度し、めでたし。 おしまい
上図、打ち出の小槌をふるう桃太郎とお供の雉・犬・猿。山東庵京伝(山東京伝)著『絵本宝七種』(蔦屋重三郎刊、1804年)。
詳しくは、落語「桃太郎」をご覧下さい。
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