落語「猫屏風」の舞台を行く 柳家喬太郎の噺、「猫屏風」(ねこびょうぶ)より
■古典な風合いの噺ですが、東北から中国・四国地方に渡る広い地域に伝わる民話『絵猫と鼠』を、小泉八雲が「猫を描いた少年」として出版、これをもとに柳家喬太郎が落語に仕上げた新作落語です。
ネズミを画いた雪舟 「秋冬山水図」・国宝 左、冬景。右、秋景。 東京国立博物館蔵。
■お勤め(おつとめ);仏前で日課として読経すること。勤行 (ごんぎょう) 。
■5里(5り);距離の単位。里(り)は、尺貫法における長さの単位。現在の中国では500m、日本では約3.9km朝鮮では約400mに相当する。
5里=約20km。歩くと約5時間。昼に寺を出ると、夕方化け寺に着くことになります。
■灯明(とうみょう);神仏に供える灯火をいう。仏教においては、サンスクリット語の「ディーパ」の訳で、闇(無明)を照らす智慧の光とされ、重要な供養のひとつとされる。灯明は古くは油をともす油皿(あぶらざら)が使われていたが、現在は、ろうそくまたは電球によるものが多い。 灯明を供えるために用いられる仏具は、「燭台」や「灯籠(灯篭)」、「輪灯」などがある。 なお、灯明をともすための燭台は、仏教における基本的な仏具である三具足・五具足のひとつとなっている。
■屏風(びょうぶ);(風を屏フセぐ意) 室内に立てて風よけ、または仕切り・装飾として用いる具。縦長の木枠の上に紙や絹を貼ったものを、2枚(2曲、2扇)・4枚・6枚などつなぎ合せ、折り畳めるようにしたもの。多くは片面に絵や書をかいて飾る。中世以後は左右二つの屏風を一双として組み合せ、関連する図柄を描くのが原則となる。中国では木など硬質の材料を用いることもある。
■丑三つ刻(うしみつどき);丑の時を4刻に分ちその第3に当る時。およそ今の午前2時から2時半。「草木も眠る―時」。深夜の一番幽霊化け物が出やすい時刻。落語の中に、昼間に出て来た幽霊が居た。「バカじゃ無いか、真昼間に出てきて」、「だって、真夜中は恐いんだもの」。
■ナムアミダブツ(南無阿弥陀仏);阿弥陀仏に帰命するの意。これを唱えるのを念仏といい、それによって極楽に往生できるという。六字の名号。
■亡骸(なきがら);魂のぬけがら。死体。しかばね。
■無住(むじゅう);寺院に住職のいないこと。また、その寺。
■ネズミ;広くはネズミ目(齧歯類)のネズミ亜目、またリス亜目のホリネズミ、さらにモグラ目のトガリネズミを含む小形哺乳類の総称。200以上の属、約千8百種を含み、種数としては哺乳類の約3分の1。そのうちネズミ亜目ネズミ科はカヤネズミ・クマネズミ・アカネズミ・ハツカネズミなどの属を含む。普通はドブネズミ・クマネズミなどのイエネズミをいう。
北斎漫画ネズミ 「家久連里」(かくれさと)部分。
■猫(ねこ);(鳴き声に接尾語コを添えた語。またネは鼠の意とも)
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