落語「試し酒」の舞台を行く 古今亭志ん朝の噺、「試し酒」(ためしざけ)
志ん朝さんの噺の概略を書くより聞き込んでしまいます。
ことば
■箱根(はこね);箱根町は、神奈川県西部、箱根峠の東側に位置する町で、足柄下郡に属する。
「箱根」 左から芦ノ湖と富士山、ロープウエー、彫刻の森美術館、箱根登山電車(出山の鉄橋)
■金蒔絵の入った盃(きんまきえ-);漆器の表面に金箔を細かくした消粉で絵や文様、文字などを描き、それが乾かないうちに金や銀などの金属粉を蒔いては磨くことで器面に定着させたものを蒔絵といいます。漆芸の技法の一つで特に豪華な美しさで知られています。
または、平脱(へいだつ)」や漆器表面に溝を彫って金銀箔を埋め込む「沈金(ちんきん)」、夜光貝、アワビ貝などを文様の形に切り透かしたものを貼ったり埋め込んだりする「螺鈿(らでん)」などとともに、漆器の代表的加飾技法の一つ。
上図:左、漆器の板屏風に描かれた蒔絵の菊。右、お盆に描かれた蒔絵。
盃の種類;志ん朝さんも噺の中で久蔵さんに言わせています。(要約には省略)
左から2個は座興杯、右側2個は可杯でベイゴマのように底が尖っている。中央のは可杯でかつ穴が空いている。
■唐土(もろこし);「諸越(中国の越の国)」の訓読から、昔、日本で中国を呼んだ称。
■儀狄(ぎてき);中国、夏(か)の伝説上の人物。初めて酒を造ったという。転じて、酒の異称。
■酒呑童子(しゅてんどうじ);丹波国の大江山、または山城国京都と丹波国の国境にある大枝(老の坂)に住んでいたと伝わる鬼の頭領、あるいは盗賊の頭目。酒が好きだったことから、部下たちからこの名で呼ばれていた。文献によっては、酒顛童子、酒天童子、朱点童子などとも記されている。彼が本拠とした大江山では龍宮御殿のような邸宅に住み、数多くの鬼共を部下にしていたという。
大江山の酒呑童子と源頼光主従 (歌川芳艶 江戸時代)
■『明けの鐘ゴンと鳴る頃三ヶ月型の櫛が落ちてる四畳半』 久蔵さんが言うように私も分からない。
■『雨戸叩いてもし酒屋さん無理言わぬ酒頂戴な』 イイ夫婦仲です。
■『朝顔のツボミのようなあの筆先で書いた恋文今朝開く』 ラブレターでは味わいが変わってしまいます。
2014年12月記 前の落語の舞台へ 落語のホームページへ戻る 次の落語の舞台へ |