落語「つる」の舞台を行く 春風亭小朝の噺、「つる」(つる)
■日本のツル;日本では北海道の釧路湿原とその周辺に留鳥として生息するタンチョウのほか、山口県周南市や鹿児島県出水市などに冬鳥として渡来するナベヅル、マナヅルがよく知られ、いずれも天然記念物に指定されている。この他、クロヅル、アネハヅル、ソデグロヅル、カナダヅルなどがごく稀に飛来する。
日本では昔話にもよく登場し、「鶴は千年、亀は万年」などカメと共に長寿の象徴とされている。他の動物より寿命が長いのは確かだが、実際の寿命は動物園での飼育の場合であっても50年-80年程度で、野生では30年位と推定されている。「鶴姫」など名前としても使われる。 折鶴、千羽鶴なども、日本の象徴となっている。
ツルは地上性、特に湿地での活動に高度に順応した鳥であって、一部の種類を除き木に止まることはできない。 よく水墨画でツルがマツ等の樹に止まる構図がある(いわゆる「松上の鶴」。伊藤若冲の『旭日松鶴図』や広渡湖秀の『桃鹿・巌波双鶴図』を始め数作が知られる)が、これは一般にコウノトリとツルとを混同してのことだとされている。(右図:掛け軸の鶴が松の木に留まっています)
「松図屏風」 土佐光信と落款は入っているが、彼にしては作品が落ちるので別作家だろう。東京国立博物館
「四季花鳥図屏風」 伝雪舟等楊 重要文化財 東京国立博物館蔵
石田幽汀 《群鶴図屏風》1757-77(宝暦7-安永6) 紙本金地着色 六曲一双屏風 各156.0×362.6cm
飛行してきた雄雌の鶴。着地するときは何というのでしょう。
ペアーの鶴。
手入れされた庭園の松。巌頭の松。
■隠居(いんきょ);世事を捨てて閑居すること。家長が職を辞しまたは家督を譲って隠退すること。また、その人、その住居。戸主が自己の自由意志によってその家督相続人に家督を承継させて戸主権を放棄することである。当主の現存の親の称。また、老人の称。
■粗茶と粗羊羹(そちゃとそようかん);粗とは粗末なものと謙遜して言う言葉だが、八っつあんはその様なお茶があると思っていて、「隠居のところの粗茶は美味い」。
■唐土(もろこし);「諸越(中国の越の国)」の訓読から、昔、日本で中国を呼んだ称。
■古今東西人まねで上手く行った試しは無い。自分の物になっていない話をいくら力んでやってもダメです。
イソップ物語よりツルの話。
ガチョウとツル
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