落語「麻のれん」の舞台を行く 古今亭志ん生の噺、「麻のれん」(あさのれん)
■蚊帳(かや);蚊を防ぐために吊り下げて寝床をおおうもの。麻布・絽・木綿などで作る。
■按摩(あんま);なでる、押す、揉む、叩くなどの手技を用い、生体の持つ恒常性維持機能を反応させて健康を増進させる手技療法である。按摩の按とは「押さえる」という意味であり、摩とは「なでる」という意味である。
また、江戸時代から、按摩の施術を職業とする人のことを「按摩」または「あんまさん」と呼ぶが、視覚障害者の間では、これを盲人に対する蔑称と受け取る向きもあり、あまり使わない方がよい言葉になっている(マスコミ等ではマッサージ師と言い換える事もある)。一方、外国語である「マッサージ」に対比する日本語の意味である按摩という言葉を否定するのは、日本古来の施術法の否定であり、いわゆる言葉狩りでしかないとして、日本古来の施術方を伝承・継承する意事から、あえて按摩師と称して営業する施術師もいる。
先史時代に人々の生活において、自然環境の中で生きていく上で様々な理由によって負傷して瘀痛(疼痛)や腫痛に苦しむ事も少なくなかったと考えられる。そんなときに、人々は自分あるいは仲間の患部を手で撫でたり擦ったりすることによって、外傷による瘀痛を散らして腫れをひかせて痛みを和らげる効果があることを発見した。当時においてはこれも有効な外科治療の一環であり、これが按摩術のルーツであると考えられる。
『手当』が正にこれにあたります。
『守貞謾稿』によれば、流しの按摩が小笛を吹きながら町中を歩きまわって町中を歩いた。京都・大坂では夜だけ、江戸では昼間でも流す。小児の按摩は上下揉んで24文、普通は上下で48文、店を持って客を待つ足力(そくりき)と呼ばれる者は、固定客を持つ評判の者が多いために上下で100文が相場であったと言う。
座頭(ざとう);江戸時代に下ると、按摩の代名詞ともなる。 落語「柳の馬場」、「三味線栗毛」を参照。
■麻のれん;夏用の麻で作られたのれん。杢市はのれんも蚊帳も同じ素材ですから、区別が出来なかったのでしょう。
■金平糖(こんぺいとう);コンペイトー【confeitoポルトガル】
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