落語「芋俵」の舞台を行く 三遊亭小遊三の噺、「芋俵」(いもだわら)
■鯉(こい);コイは外見がフナに似るが、頭や目が体に対して小さく、口もとに二対の口ひげがある。体長は 60cm程度だがまれに1mを超すものもいる。飼育されたり養殖されてきた系統の個体は体高が高く、動きも遅いが、野生の個体は体高が低く細身な体つきで、動きもわりあい速い。なお雌に比べて雄の方が頭が大きい。
■鯉濃(こいこく);鯉の味噌仕立ての汁の事を濃漿(コクシヨウ)と言い、鯉を筒切りにして煮込んだ赤味噌汁。見た目には単にコイの切り身の入ったみそ汁のようだ。切り身、鱗が柔らかくなるまで長時間煮る。「鯉汁」とも。汁と煮つけの中間的な料理だ。
左:鯉こく。 右:鯉の洗い。
■鯉の洗い(こいのあらい);非常に薄く切り、冷水にさらしてアデノシン三リン酸(泥臭さの素)を洗い流して、急速に身を硬直させたもの。爽やかな味わいのなかに鯉のうま味が感じられる。寄生虫の肝吸虫、横川吸虫などが寄生する事があるので、刺身では無く、洗いにして虫を洗い流す。酢味噌や梅醤油などで頂きます。
■薩摩芋(さつまいも);ヒルガオ科の一年生作物。中南米原産で、日本には17世紀前半に、中国・琉球を経て九州に伝わり普及。茎は蔓性で、地下に多数の塊根をつける。暖地では、秋、ヒルガオに似た淡紅色の花を開く。塊根は食用のほか、酒類・アルコール・澱粉の原料、また、蔓とともに飼料とする。異称多く、カライモ・トウイモ・リュウキュウイモ・アメリカイモなど。漢名、甘藷(カンシヨ)。
幕末から明治期には現在もサツマイモで名高い川越の赤沢仁兵衛が実験・研究し、まとめた「赤沢式甘藷栽培法」によって収穫量が増加した。江戸から明治に掛けての川越は、薩摩芋の名産地となった。
■芋俵(いもだわら);芋を運搬用に俵に詰め込んだもの。米俵と同じ風袋。俵には、穀類・芋類・食塩・石炭・木炭などを入れるのに用いた。 右図:米俵。
■出物腫れ物でしょうが無いヤ;『出物腫れ物所嫌わず』。屁もできものも、あれこれ場所を区別しないで、おかまいなしに出る。
■気の早いお芋;お芋を食べるとオナラが出るものです。食べる前からオナラが出るなんて・・・。
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