落語「夢たまご」の舞台を行く 桂枝雀の噺、「夢たまご」(ゆめたまご)より
■マクラから、桂枝雀の創作落語で、「落語というものは”夢か現(うつつ)か、現か夢か”というようなところじゃないか、というようなことに思い至りまして、まぁこしらえたもんでございます」。という枝雀の思いから生まれた噺です。
不思議なSFのような感覚になる噺で、枝雀の世界観が作品に込められているように思います。
■小腹の空いた;お腹が空いた時。
■虫養い(むし やしない);ほんのちょっとした食事。腹の足し。軽食。虫押さえ。『大阪ことば事典』
■ハツのお作り;マグロの刺身。上方ではマグロの寿司を食べるようになったのは近年のこと。マグロは下卑の食として、中以上及び饗応にはこれを用いず。マグロを京阪では『初の身』と言う。と、守貞漫稿は言う。
■ゆで卵(ゆでたまご);鳥類の卵、特に鶏卵を、殻のままゆでて凝固させたもの。地域により「うで卵」とも言う。近畿地方では固ゆで卵を「煮抜き卵」・「煮抜き」とも呼ぶ。卵が常温の場合、7~8分前後で半熟に、10分前後で固ゆで卵になる。残念ながら、夢たまごの作り方は分かりません。
■レンゲ;蓮華草。マメ科の二年草。中国原産。春、紅紫色の蝶形花を輪状に付ける。東アジアに分布。日本では緑肥・飼料作物として古くから栽培されたらしい。明治末期から北海道を除いて全国の田で春を彩ったが、その後減少。レンゲ。ゲンゲ。漢名、紫雲英。
■タンポポ(蒲公英);キク科タンポポ属の多年草の総称。全世界に広く分布。日本にはカンサイタンポポ・エゾタンポポ・シロバナタンポポ、また帰化植物のセイヨウタンポポなど10種以上あり、普通にはカントウタンポポをいう。根はゴボウ状。葉は土際にロゼットを作り、倒披針形で縁は羽裂。春、花茎を出し、舌状花だけから成る黄色の頭花をつける。痩果は褐色で、冠毛は白色、風によって四散する。若葉は食用、根は生薬の蒲公英ホコウエイで健胃・泌乳剤。たな。
■タライ(盥);平たい桶のことを言う。通常丸い形をしており、比較的浅い。一般にいわれる洗い桶としての簡易洗面器も、この一種である。また、顔や手足を洗うためにも使われる。
近年においては近代化、また利便性の向上に伴い、使われる機会は少なくなってきている。
洗濯機が無かった時代において、主に洗濯の用途などで多く用いられた。嫁入り道具に必要なもののひとつとされる地域もあった。
語源として、「手洗い」が詰まって「たらい」となったともいわれる。たらいは、戦前までは木製であった。(これは桶の製作技術を転用したものである) 第二次世界大戦後、軽量化、耐久性の向上を図るため、アルミニウムやメッキ鋼板で作られるようになった。 その後、トタンを用いた金だらい(かなだらい)が生産、流通の中心となった。さらに近年ではプラスチックを用いた製品が生産、販売されている。
■蚊帳(かや);蚊を防ぐために吊り下げて寝床をおおうもの。麻布・絽(ロ)・木綿などで作る。かちょう。
■豚の蚊遣り(ぶたの かやり);『けむくとも 末は寝やすき 蚊遣りかな』
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