落語「色事根問」の舞台を行く 笑福亭仁鶴の噺、「色事根問」(いろごとねどい)より
■この噺は、「稽古屋」の前半部分をまとめたもので、上方では時間の都合で前半部を「色事根問」の演目名で独立して演じられることが多い。
■根問い(ねどい);根元まで掘り下げて問いただすこと。どこまでも問うこと。根問い葉問い。根掘り葉掘り問うこと。
■宇治の名物蛍踊り;上方の噺に登場するこの踊りは、全裸になり全身を真っ黒に塗り尻の穴に火のついた蝋燭を挟む。舞台を真っ暗にして「宇治の名物蛍踊りの始まり始まり」の口上のあと賑やかな下座に合わせて踊り、最後、屁でろうそくの火を消すというもの。噺では「腹下してたもんやさかい、あんた、勢いよう屁は出ましたが、身イまで出てしもた」 というクスグリが入る。もっとも、桂文枝のようなはんなり上品な芸風で演じるとあまり汚さが感じられない。東京の桂小文治は、上方風のはあくが強いのか「トンボ切って、床に落ちて、そこにあったカンナくずに火ィ点いてしもた」 というようなクスグリに変えている。上方落語協会総会の余興でこの踊りが演じられるそうです。
■モテるための条件 ・女の美しさは、 ・遊廓で女を得るのに必要なものは、 ■おぼこ;まだ世間のことをよく知らず、世なれていないこと。また、その人。
■年増(としま);娘盛りをすぎて、やや年をとった女性。江戸時代には二十歳過ぎを言った。中年増というと、中ぐらいの年増で、二十三、四歳から二十八、九歳ごろの女。大年増というと、年増の中でも年かさの女。広辞苑
■小耳止めておく;小耳に挟む=聞くとはなしに聞く。偶然に聞く。
■地獄の沙汰も金次第;地獄の裁判でも金で自由にできるという、金力万能をいう諺。
■壁に耳あり障子に目あり;密談などの洩れやすいたとえ。
■鍋島騒動(なべしま
そうどう);肥前国佐賀藩の二代藩主・鍋島光茂の時代。光茂の碁の相手を務めていた臣下の龍造寺又七郎が、光茂の機嫌を損ねたために斬殺され、又七郎の母も飼っていたネコに悲しみの胸中を語って自害。母の血を嘗めたネコが化け猫となり、城内に入り込んで毎晩のように光茂を苦しめるが、光茂の忠臣・小森半佐衛門がネコを退治し、鍋島家を救うという伝説。
■有馬騒動(ありまそうどう);河竹黙阿弥の「有馬染相撲浴衣」で、初演は江戸期ではなく維新後の明治13年猿若座と新しく、その筋は藩主有馬頼貴が寵愛した側室「お巻の方」が他の側室の嫉妬で冤罪を被せられそれを苦に自害してしまう。すると「お巻の方」の飼い猫が主人の仇を報いようと奥女中のお仲に乗り移り側室たちを食い殺して火の見櫓にいるのを、有馬家のお抱え力士小野川喜三郎が退治する。
■いね;大阪言葉「いの」の命令形。帰れ。去れ。いんだら=帰ったら。帰れ。
■吉永小百合(よしながさゆり);(1945年3月13日- )女優、歌手で、本名、岡田 小百合(おかだ さゆり)。東京都渋谷区代々木西原町(当時)出身。そのファンは、「サユリスト」と呼称される。1960年代を代表する人気映画女優で10年間で70本以上の映画に出演した。吉田正(作曲家)の門下生として、数多くのレコードを世に送り出している。早稲田大学第二文学部西洋史学専修卒業、学位は文学士(早稲田大学)。夫はフジテレビディレクター、共同テレビ社長、会長、取締役相談役を歴任した岡田太郎。
■研ナオコ(けん なおこ);(本名:野口 なを子(旧姓:浅田)、1953年7月7日 - )は、歌手、タレント、女優、コメディエンヌである。所属事務所は田辺エージェンシー。 身長162cm、体重51.5kg、血液型A型。一男一女の母。娘は歌手・タレントで、Bro.KONEの長女・近藤麗奈と田代まさしの長女・田代小夏と組んでいた小夏・ひとみ・レイナのひとみ(本名:野口ひとみ)。
静岡県田方郡天城湯ヶ島町(現・伊豆市)出身。静岡県立三島南高等学校中退。1970年代中盤から1980年代中盤にかけて、歌手として数々のヒット曲を世に送り出した。研の代表曲には『あばよ』『かもめはかもめ』『夏をあきらめて』などが挙げられる。
■啖呵(たんか);(「弾呵」の転訛か。維摩居士(ユイマコジ)が十六羅漢や四大菩薩を閉口させた故事から)
勢い鋭く歯切れのよい言葉。江戸っ子弁でまくし立てること。
■アホ力(あほじから);馬鹿力。ビックリするほどの力。
■双蝶々曲輪日記(ふたつちょうちょうくるわにっき);(双蝶蝶は二人の相撲取の名の「長」に因む)
浄瑠璃の一。並木千柳ほか合作の世話物。1749年(寛延2)初演。近松門左衛門作「寿門松(ネビキノカドマツ)」に西沢一風の「昔米万石通」をもちこみ、相撲取の濡髪長五郎と放駒長吉の任侠を脚色。相撲場と引窓の場が最も有名。後に歌舞伎化。
■濡髪長五郎という相撲取り;若旦那山崎屋与五郎は遊女吾妻と恋仲である。また八幡の住民南与兵衛は吾妻の姉女郎都とこれまた恋仲である。だが、二人の女郎には平岡と云う侍と悪番頭権九郎とがそれぞれ横恋慕して、諍いが起こっている。本日の一番の取り組みは濡髪と放駒の対戦である。だが、意外にも濡髪があっさりと土俵を割ってしまう。
二段目『角力場(すもうば)』 三代目坂東三津五郎の濡髪長五郎と七代目市川團十郎の放駒長吉 (歌川国貞画)
■便所行ってきた;戦後まで長屋には共同便所が屋外に建っていて、そこまで暗い中恐々行っていた。小さな子供は親に付き添われて行くのが当たり前で有ったが、彼は色恋を言うようになってもお母さんに連れて行ってもらった。一人で行けたと自慢しているが・・・。
■色は指南のほか;色は思案の外(ホカ)。
男女の恋は常識では判断できず、とかく分別をこえやすい。「恋は思案の外」とも。
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