落語「夜店風景」の舞台を行く 三遊亭円生の噺、「夜店風景」(よみせふうけい)
■この噺は続きがあって、この夜店風景の後に「ガマの脂」が続きます。その「ガマの脂」も円生でご覧下さい。
■香具師(やし);縁日・祭礼などの人出の多い所で見世物などを興行し、また粗製の商品などを売ることを業とする者。てきや。映画「柴又の寅さん」は、全国を回る香具師でした。
■テキ屋;三つに分かれていて、珍物(ちんぶつ)、鳴り物、おっぴらき、が有ります。珍物は、「三ツ目小僧」、「ろくろ首」や、「ヘビ娘」「カエル娘」と言う、因果物を言います。鳴り物は、猿に芸をさせる「猿芝居」、和風手品、水芸の「太神楽」など、鳴り物を使う物をいいます。おっぴらきは大道に品物を並べて売ると言います、「易者」もこの仲間に入っているようです。(円生談)
これらも、お客さんが見飽きると、興行主は次の出し物が欲しくなります。そこで一つ目小僧がいるという北に向かって探しに行くと居ました。いましたが・・・。落語「一眼国」をご覧下さい。また、中国の仙人を舞台に立たせると、「鉄拐」でどうなることやら。
■縁日(えんにち);(有縁日(ウエンニチ)の意)。
ある神仏の降誕・示現など、特別の縁があるとして祭典・供養を行う日。この日に参詣すると大きな功徳があるとされる。毎月5日を水天宮、25日を天満宮、8日を薬師、18日を観音、28日を不動尊の縁日とする。参詣人めあての露店が出てにぎわう。
「縁日風景」平野勲画 文春デラックス寄席12 より
■エンドウ豆を炒ったもの;一般的にエンドウと呼ばれているエンドウ豆。実が若いうちに収穫したものをサヤエンドウ。成長して膨らんだ豆は、グリーンピースとして食べられていることが多い。塩水に浸した青えんどう豆を炒ったもの。青えんどう豆を塩茹でしたものも「塩豆」と呼ぶことがある。
■丹波の栗(たんばのくり);主に丹波・篠山地方で栽培されるクリの品種。オウグリともいう。代表品種は銀寄(ぎんよせ)で、かつては「銀由」、「銀善」とも呼称されるが、現在では「銀寄」に統一された。
■アセチレン;分子式HC三CH
炭化水素の一。無色の有毒性の気体。光輝の強い炎で燃える。かつては灯用とした。酸素と混じて鉄の切断や溶接に利用。有機合成基礎原料。カーバイドに水を作用させたり、天然ガス・石油を高温で熱分解したりしてつくる。エチン。純粋なものは無臭だが、市販されているものは通常硫黄化合物などの不純物を含むため、特有のにおいを持つ。
■見世物(みせもの);演目として珍獣を見せることも行なわれた。珍獣の見世物は江戸時代、寛永年間ころに猪、孔雀を見せたのが最初であると言われている。虎や狼、鶴、オウムなどに曲芸をさせることは、寛文年間ころからあった。
■河童(カッパ);想像上の動物。水陸両生、形は4~5歳の子供のようで、顔は虎に似、くちばしはとがり、身にうろこや甲羅があり、毛髪は少なく、頭上に凹みがあって、少量の水を容れる。その水のある間は陸上でも力強く、他の動物を水中に引き入れて血を吸う。河郎。河太郎。かわっぱ。
■瓢箪(ひょうたん);ウリ科の蔓性一年草。ユウガオの変種とされ、アフリカまたはアジアの熱帯地方原産。南米での栽培が古い。茎は巻ひげによって他物にからみ、葉は心臓形で、掌状に浅裂。7月頃、白色の五弁花を開く。雌雄同株。果実は普通中央部にくびれがあるが、そうでないもの、小形のセンナリビョウタンなど多くの品種がある。
■お化け屋敷;娯楽施設としてのお化け屋敷は、映像や音響、からくり、役者などを駆使し、利用者に対し幽霊や怪物に対する恐怖を疑似体験させ、楽しませる事を目的とする施設である。遊園地等に常設される例は多い。また、日本では他、祭りに際して屋台等と並んで臨時に設けられる場合も多い。なお、仮設営業されるものは見世物小屋の一形態であり、「薮」と呼ばれた。
■見るは法楽;仏法を敬愛し、善を行い、徳を積んで自ら楽しむこと。なぐさみ。たのしみ。
■見られるは因果;直接的原因(因)と間接的条件(縁)との組合せによってさまざまの結果(果)を生起すること。特に、善悪の業(ゴウ)によってそれに相当する果報を招くこと。また、その法則性。
2017年1月記 前の落語の舞台へ 落語のホームページへ戻る 次の落語の舞台へ |